新入社員の標準報酬月額の決め方
標準報酬月額とは?
標準報酬月額という言葉の意味は知っていますか?知らない人の方が多いでしょう。新入社員の標準報酬月額の決め方について説明する前に、標準報酬月額の意味をお教えします。
標準報酬月額とは基本給以外の報酬のこと
標準報酬月額とは、基本給のほかに会社から発生する「報酬」を言います。例えば役員手当、通勤手当、残業手当てなどです。ただし、標準報酬月額として賞与は含まれません。
標準報酬月額は毎年1回、7月に4月、5月、6月の給料(報酬)の平均額を用いて国が決定します。7月に決まった標準報酬月額は、大幅な給料の増減がない限り1年間、9月から翌年の8月まで固定されます。
新入社員であれば、1年目は賞与がないかもしれませんが、2年目以降は注意が必要です。
標準報酬月額の目的は「事務処理の簡素化」
標準報酬月額を定める目的を一言で言うと「事務処理の簡略化のため」に作られた仕組みです。そもそも会社員として働いている人の厚生年金保険料は「標準報酬月額×保険料率」という計算のもとで算出されています。基本的には1年間は標準報酬月額は代わりませんので、これを元に年金の計算なども行われるという形です。
なお、その際は金額ののものではなく、区切りのよい幅で区分した数字となります。給料が297,120円ならば標準報酬月額300,000円といった風なイメージです。
区分けは全部で30通り
標準報酬月額は、大きく分けて30通りの額しかありません。これは「○円~○円は○等級」という方式が採用されているためであり、その分類が30通りに分けられているという意味になります。1等級から30等級まであり、等級によって納める額が変わるのです。
標準報酬月額に加算される手当と計算方法
標準報酬月額のおおまかな概要について説明しました。次は、詳しい計算方法と加算される手当について見ておきましょう。計算に関しては、専門家でないと完全に把握する事は難しいかもしれませんが、もう少し細かい部分まで説明します。
残業手当や住宅手当は報酬に含まれる
会社によって種類は様々ですが、ほとんどの企業で基本給と手当が設けられています。手当と呼ばれるもの全てが、標準報酬月額に含まれる訳ではありませんが、一般的にどんなものが含まれているのか、新入社員の方は把握しておいた方が良いでしょう。
標準報酬月額を決める基準となる報酬に含まれるものは基本給(月給・週給・日給など)以外にも様々です。
能率手当、残業手当、勤務手当、役付手当、精勤手当、家族手当、勤務地手当、通勤手当、日・宿直手当、住宅手当、私傷病手当、賞与(年4回以上)など 通勤定期券、自社製品、被服(勤務服でないもの)、食券・食事、社宅・寮まで実に様々なのです。
年金と保険料の計算方法
新入社員の場合も、各種手当てや残業代を含めた給与の月額から計算します。新入社員の方は4月から給与は発生していますので、そこから算出がスタートして、残業代や通勤手当なども含めましょう。
具体的には、健康保険料の月額は30区分された標準報酬月額に8.2%を掛けた数字が保険料総額です。また、厚生年金保険料は、一般的な会社勤務で報酬月額の15.35%が総額となっています。
新入社員の標準報酬月額は基本給+通勤手当や住宅手当の総計で決定!
今回は、新入社員の標準報酬月額の決め方について見てきましたが、いかがでしょうか。新入社員とはいえ、正社員として働く上で、給与の仕組みをしっかりと把握するのは非常に重要です。特に保険や年金などは計算方法が複雑なので、できる限り理解していくと共に、解らない事などは会社の給与計算の担当者などに聞くのがベストです。とはいえ、自分の給料を正しく理解して是正できるのは、あくまでもあなた自身と把握して、こういった知識を習得するのも大切です。
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