会社から家族手当の返還を求められるケースとその理由
家族手当は配偶者のいる従業員に対し会社が支給する金銭
一般的に家族手当(扶養手当)とは、配偶者や子どもをもつ従業員に対してその生活水準の維持にかかる負担を補助するために、会社側が給与の一部として支給する金銭です。「終身雇用が当たり前」と考えられていた高度経済成長期にできたものであり、そのような時代背景も相まって多くの企業がこぞって取り入れました。これは欧米諸国には見られない、日本独自の支給制度です。
家族手当の支給は法律で義務付けられたものではない
この家族手当(扶養手当)は、労働基準法などの法律で制定されているわけではありません。制度そのものがそれぞれの会社独自の規定によるものなので、企業によってその内容にバラつきがあります。家族手当制度の有無から始まり、算定の基準や条件、支給される金額、あるいは不当利得による返還請求なども、原則的に会社に従わなければなりません。しかし、この家族手当は会社から返還を求められるケースがあります。
家族手当を会社に返還しなければならない可能性もある
基本給に加えて別途支給されるこの家族手当(扶養手当)ですが、その状況によっては返還を求められる場合があります。会社側に家族手当の申請をしたと仮定しましょう。「家計は余裕がない状態だし、もらえるものはしっかりもらいたい」そのような気持ちで手続きを行うのは当然です。しかし年末を迎えたら突然、今までもらえていたはずの家族手当が支給されなくなるケースもあります。家族手当の返還が求められる理由には何があるのでしょうか?
返還を求められる理由は会社の就業規則で異なる
家族手当(扶養手当)の返還を求められる理由は、会社の就業規則によって異なります。その理由には所得や家族構成、生活の状況などがあるといえるでしょう。ただし、会社から返還を求められたリ、突然支給されなくなったりするのには主な理由があります。会社とのトラブルを防ぐためにも、早めに家族手当の返還について確認しましょう。
配偶者の所得が規程の額を超えると家族手当の返還が求められる
会社から家族手当(扶養手当)の返還が求められるケースとして多いのが、配偶者の所得が規定を超えた場合です。家族手当は扶養手当とも呼ばれており、配偶者が扶養から外れるほどの所得。103万円を超えた場合に返還を求められる事例が多いといえます。中には違った額を設定している会社もありますが、103万円を基準にしているところが多いでしょう。
配偶者のパート収入が多くなったときに多い
このように家族手当や扶養手当を会社から返還されるケースは、子育てが落ち着き、配偶者が働きやすくなったときに起きやすいです。子育てが落ち着くと、パートからでも仕事を活発にする方も多いでしょう。この際に年収が103万円を超えてしまうと、所得税が課税され、扶養から外れてしまいます。これが1年だけで、それ以降は多く稼いでいないときも注意が必要です。これがトラブルになったケースも多くあります。
会社の規則に従って返還をしないと不正受給となってしまう
上記の例はよく見られる事例であり、会社の規則を確認してしっかり話し合わなければいけません。家族手当の制度については各企業が定めているものなので一概にはいえませんが、就業規則に定められた内容にしたがう必要があります。どちらにも落ち度があるケースも多いですが、仮に返還をしなければ不正受給となりかねません。どれだけ本人が納得できなくても返還するようにしましょう。
家族手当は配偶者の所得が会社の規定を超えると返還が必要なケースがある
結婚や出産などのタイミングを調整しようにも、そうはいかないケースがほとんどでしょうし、扶養家族に対して収入を調整しながら働いてもらうのも、状況によっては難しいでしょう。つまり、会社側から家族手当の支給について該当するかしないかも、その都度変わってくるということです。家族手当を返還するという状況が発生しないためにも、支給に関する社内制度、その基準や条件について随時確認した上で、家庭状況を考慮し、今後のプランを立てるようにしましょう。
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