「お読みください」という敬語の正しい使い方【謙譲語・尊敬語・丁寧語】
正しい敬語使えてますか?
社会人になると、敬語を使う機会が学生のころと比較して急激に増えます。また、大学生の就活や卒業研究のフィールドワークのために先方へアポイントメントをとるときやインタビューの際にも敬語はとても重要です。ところであなたの敬語、胸をはって正しいと言えますか。
敬語には尊敬語と謙譲語と丁寧語がある
敬語とは、相手に対し敬意を示す表現方法であり尊敬語や謙譲語、です、ます調の丁寧語の3つに分けられます。このうち、尊敬語および謙譲語は丁寧語よりも相手へ示す敬意の程度が高いとされます。そのため、ビジネスや正式な場では尊敬語および謙譲語が比較的よく使われます。
敬語の乱れが指摘されている
「了解です」、「ご苦労様です」「お読みください」という表現について、貴方は正しい敬語だと思いますか?残念ながら、この先の二つは頻繁に使われる「間違った敬語」であり、ビジネスや公的な場ではふさわしくありません。また、三番目の「お読みください」は丁寧語でありあまり印象はよくないでしょう。しかし、「お読みください」という言葉は敬語として絶対に使えないというわけではありません。近年はこのように間違った敬語やアルバイト用語がビジネスの場に浸透しつつあるので、正しい敬語をしっかりと身に着けるようにしたいですね。
ビジネスで多く使われる敬語の尊敬語と謙譲語
敬語は3つに分けられるのですが、実際これらはどのように区別されるのでしょうか。尊敬語、謙譲語、そして「お読みください」などの丁寧語の順にそれぞれを見ていきましょう。まずはビジネスの場で一般に用いられる尊敬語と謙譲語について説明します。
相手を高める尊敬語
字からもわかるように、尊敬語とは相手を高めることによりこちらの敬意を示す表現方法です。尊敬語のパターンは大きく分けて4つあります。1つ目は動詞に「れる」「られる」をつける場合、2つ目は「お」「ご」「さま」などの接頭語や接尾語を名詞に着ける場合、3つ目は「お」「ご」に動詞と「なさる」などをつける場合、4つ目は「おっしゃる」など形が決まっているものです。「お読みください」という言葉にも相手への敬意が感じられますが、詳しくは下記に説明します。
自分を低める謙譲語
尊敬語とは対照的に、謙譲語とは自分がへりくだることにより相手への敬意を示す表現方法です。謙譲語には大きく分けて3つのパターンがあります。1つ目は、「お」「ご」に動詞と「する」「いただく」などの言葉をつける場合。2つ目は、動詞に「いただく」「させていただく」をつける場合。そして3つ目が、「拝見いたします」「参ります」のように。決まった言い方場合です。
「お読みください」は丁寧語
例えば上記を参考にすると、「読む」の尊敬語は「お読みになる」または「読まれる」に、謙譲語は「拝読する」になります。では最後の丁寧語について見ていきましょう。「お読みください」という言葉は丁寧語に分類されます。
丁寧語の意味と使い方
尊敬の気持ちをこめて美しい言葉を使うのが丁寧語であり、大きく二つに分かれます。1つ目は語尾に「です」「ます」「ございます」をつける場合。二つ目は「お」や「ご」をつける場合で、「お天気」「お野菜」などが例です。「お読みください」もこのパターンに入ります。
丁寧語はビジネスでの使用はケースバイケースで可能
丁寧語がOKかNGかは、時と場合によります。例えば相手のお話を聞く場合、謙譲語の「拝聴します」を使うのが一般的であり、「聞きます」とは言いません。また、取引先の方が「いらっしゃる」ではなく「来ます」というと非常に乱暴に聞こえますのでNGです。しかし相手に資料を読むように促す場合、つまり尊敬語や謙譲語の表現が一般的でない場合「お読みください」のような丁寧語はOKになります。
「お読みください」は大丈夫!優先すべきは尊敬語と謙譲語
ビジネス、公的な場では基本的に敬語のうち尊敬語および謙譲語を使用するものです。しかしながら、「お読みください」のように時と場合により丁寧語がよしとされることも覚えておくとよいでしょう。適切な敬語は相手とのやり取りをスムーズにし、人間関係を円滑にしてくれます。相手も自分も心地よく過ごすために、「お読みください」のような丁寧語だけでなく尊敬語、謙譲語も含めた正しい敬語を使えると良いですね。
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