既卒者が就活を成功させるためのポイントとおすすめの時期
1.そもそも”既卒”とはどういう意味なのか?
就職活動を行う上で、どの採用枠で応募するかというのは大切なポイントです。それぞれの採用枠には応募の条件があり、満たしていない場合は選考に進むことができません。
それらの条件の中には“新卒”や“既卒・第二新卒”といったものがあります。新卒は、在学中の学生を指し示すものですよね。では、既卒・第二新卒というのはどのような人のことを指すか正しく理解していますか?意外に混同している方が多いので確認しておきましょう。
卒業後一度も就職していない人が”既卒者”と呼ばれる
既卒者とは、中・高・大学を卒業した後に、一度も正規社員として就職をしていない人達のことを指します。
病気や家庭の事情など、何かしらの理由があって就職できなかった人も、卒業後ダラダラとニートをやっていた人も就活においては同じ“既卒者”として扱われることを覚えておきましょう。
”第二新卒”は新卒で入社したが数年で辞めた人のこと
一方で就活における「第二新卒」の定義とは、大学を卒業し就職をしたのち、数年以内に退職し休職中の若者を指します。一般的に卒業から1~3年以内の25歳以下の若者が対象です。
企業によっては、第二新卒を積極的に採用している場合もあるので企業情報を注意深く見ておいてください。
中途採用枠での入社を目指さなくてはならない
既卒者や第二新卒者は、中途採用枠での応募が基本です。 ただ、現在では就職せずに卒業した既卒者を「卒業後3年目まで新卒者として扱かう」と決めている企業が増えているのも事実ではあります。 自分が志望する企業が、どのようなスタンスをとっているのかを確認しておきましょう。
2.既卒者の就活が厳しいとされる理由
“既卒だと就活が厳しい”というのが一般認識としてあります。一体これにはどういった理由があるのでしょうか?
ここでは、就活において既卒者が置かれている状況を詳しく紹介します。
①新卒と枠を争った場合に圧倒的に不利だから
まず第一に、新卒者と既卒者を比較した場合に企業がどちらを優先的に取るのか?という問題があります。
新卒者と既卒者の能力が同じくらいだったとしたら、企業はおそらく新卒者を採用するでしょう。新卒者に関しては“ポテンシャル採用”といって人間性、やる気や意欲があるかなどのポイントに着目して採用を決める場合が多いです。しかしながら中途採用は、実力主義の世界。圧倒的な実力がないと、新卒というブランドと戦うのは難しいでしょう。
②社会人経験がないため
社会人経験の有無は、採用を決める際に重要な要素だと言われています。異業種の仕事であろうとも、社会人として働いてきた人にはそれなりのマナーやスキルがありますよね。
中途採用枠で、業界経験はないが社会人経験のある転職者と比べられた時には、社会人経験のない既卒者は不利な状況になってしまうのです。
③中途採用の枠を争う人材が経験者の可能性がある
また、中途採用枠には同じ業界からの転職者が多いことも予想されます。既卒者が中途採用枠で応募する場合は、通常の転職者と同じ土俵で採用枠を争うこととなるのです。 “完全実力採用”に近い採用基準を設けている企業が多いとされている中で、「経験0の既卒者」と「経験5年の転職者」だったら、どちらが採用されやすいかは明確ですよね。 このように、既卒者と呼ばれる方々は就活市場において強い立場ではありません。就活を成功させるには、何かしらの武器が必要になってくるのです。
3.既卒者が就活を成功させるポイントは?
厳しいと言われている既卒者の就職活動ですが、講じられる手段はいくらでもあります。
ここでは、既卒者が就活を成功させるために大切なポイントを紹介しますので、しっかりおさえておきましょう。
ポイント①資格取得
既卒者が、転職者の長年の経験という経歴に勝つためには“職業に関連する資格の取得”が最も有効的。
やはり中途採用で求められるのは即戦力です。既卒者の場合、もし実力があったとしてもそれを示す手段が限られてきます。そんな中で、資格を取得しておけば、企業側に対して自分が即戦力であることを伝えることに繋がるのです。
TOEIC、簿記検定など志望企業の業務に関連する資格を取得してみてください。
ポイント②関連するアルバイトなどで経験を積む
営業職などでは難しいかもしれませんが、事務職、SEなどの専門職に就きたいという既卒者の方は、アルバイトという形で経験を積むことで履歴書に書く立派な経歴になります。
例えアルバイトだとしても、実務を積んでいることは大きな強みなのです。少なくとも、学生からの就職を目指す新卒者よりは経歴・経験の面で有利に立てるでしょう。
ポイント③高いコミュニケーション能力をアピール
もう一つ、新卒者よりも優位に立てる部分があります。それは、年の功を活かしたコミュニケーション能力です。
恐らく、新卒者よりも歳上であろう既卒者は人生経験もその分豊かなはず。社会人として、どのような業種でも必要とされるコミュニケーション能力を積極的にアピールしましょう。
ポイント④エージェントの利用
新卒専門の就職支援サイトや、求人サイトというのは多くあります。中途採用に関しても、そういった支援サイトなどで情報を細かくチェックするのは大切です。特に、既卒者に関する応募要項は企業によって異なりますので注意しましょう。
また、就職エージェントの利用は“一人でどのように就活をすればいいかわからない”というような方には特におすすめ。求人情報の斡旋はもちろん、カウンセリング、面接・ES対策など客観的な立場から求職者にアドバイスをくれるでしょう。
強み・弱みなどは自分では意外に気づきにくいものです。第三者からの意見を取り入れることで、説得力のある意見を述べることができるようになりますよ
既卒特化の転職エージェントで合格率アップ
転職エージェントにも色々あり、それぞれ特徴がありますが、既卒に特化した転職エージェントがあるのをご存知ですか。「就職Shop」は既卒・第二新卒が正社員として就職できる求人を多数取り揃えています。既卒では答えづらい質問への対策もバッチリしてくれるので、ぜひ利用してみてください。
ポイント⑤履歴書や面接で“ブランク”をポジティブに言い換える
企業の採用担当者が、既卒者に対して必ずする質問があります。それが「卒業してから、今まで何をしていたのか」という旨の質問。いわゆる、ブランク期間が発生した理由を採用担当者は知りたいのです。 そのブランク期間に行っていたことを、ポジティブな内容で説明しましょう。例えば、本当は「やりたいことがなく、だらだらしていた」というような場合でも資格取得をするなどして「資格取得のための勉強をしていた」や「様々な仕事を体験したうえで進路を決めたかったので、いくつかのアルバイトで適性をみていました」など、出来る限りポジティブな内容に言い換えるのです。 採用担当者に、マイナスイメージを与えないことが何よりも重要だと理解しておいてください。
4.既卒者の求人は通年である
既卒者が就活を始める時期は、これといった決まりはありません。中途採用枠ですから、通年で募集をしている企業が多い上に定員次第募集を締め切る場合もあります。このことから、自分が行きたい企業の採用情報は細かく確認しておくことが重要だといえるでしょう。
ただし、就活時期ごとに応募者の特徴があるのも事実なのです。
①時期によって応募者の傾向が違うことを理解しよう
春先は、新卒の新入社員が一斉に入ってくる時期ですよね。この時期は、新卒者が自分のライバルになる可能性は少ないです。逆に、新卒採用まっただ中の時期ですと、新卒者が自分と枠をあらそうことになります。
このように、時期ごとに応募者の傾向が異なるという点を理解しておくことで就活の方法も変わってくるのです。
②就活の時期によって対策が変わってくる
採用枠を争うライバルに負けないような志望動機や特技、強みをアピールすることで既卒者の内定率も変化します。 例えば新卒者がライバルなら、若さでは勝てませんよね。その場合は経験やスキルなどをアピールするしかありません。反対に、経験豊かなベテラン転職者がライバルならば、会社に染まっていない吸収力や柔軟性をアピールするなどして相手との差別化を図ります。 自己PR の核の部分がブレてしまうのは良くありませんが、所々で就活時期を意識してアピールポイントを変化させていきましょう。
5.就活を始めるのにおすすめの時期
では最後に、既卒者が就活を始めるのにおすすめな時期を紹介します。こちらで紹介する時期は、あくまでも”傾向を基にした”おすすめの時期です。
必ずしも当てはまるというわけではないことを、頭に入れながら見て下さいね。
夏冬のボーナス時期前後と9月・3月の年度末
既卒者の就職活動でも、内定をとりやすい時期があります。既卒者が就職活動を始める適切な時期の一つ目は「夏冬のボーナス時期前後と9月・3月の年度末」です。
この時期は企業の求人が多くなるので、内定もとりやすくなります。求人が多くなる理由は、企業の退職者が増える時期であることと、そのためにこの時期に転職活動を始める転職者が多いため企業の採用が活発化するためです。つまりこの時期は転職活動シーズンといえるでしょう
この時期は求人が増えるため既卒者にとって狙い目の時期である一方、この時期の就職活動には注意が必要です。この時期に転職市場に入ってくるのは、経験もスキルも身につけたベテラン転職者だからです。
このような転職者と一つの求人をめぐって争わなければなりません。ですから、既卒者の中には、「あえてこの時期を外して就職活動をする」という人もいます。
新卒就活の時期
既卒者が就職活動を始める適切な時期の二つ目は「新卒就活の時期」です。つまり、新卒就活への参戦です。 新卒就活の求人数は、転職市場とはけた違いです。また、新卒者の人数は決まっている分、既卒者にもチャンスが回ってくる可能性は高いです。ただ、この時期の就職活動にも注意点はあります。それは、「新卒者よりも不利な立場であると自覚すること」です。 その中で、既卒者が新卒就活で成功するポイントは、「新卒者がまだ見向きもしない時期に、中小企業への就職活動を行う」こと。 新卒者の多くが大企業狙いですので、新卒就活での中小企業は一種の盲点となっています。特に新卒就活開始時期はそうでしょう。したがって、新卒就活が開始したら、既卒者は大企業の誘惑に惑わされず中小企業の求人に突進していくと就職につながりやすいのです。
既卒者が内定を得るには資格や経験が大切!就活の時期によって異なる対策を
就活において、既卒者よりも新卒者などのほうが有利であるというのは紛れもない事実です。求人の絶対数も、新卒者と既卒では大きく異なるという点も一種のハンディキャップと言えるでしょう。
しかし、就活の方法次第では内定獲得も難しくありません。既卒ならではの強みを思う存分アピールしてみてください。
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