正社員になる前の契約社員としての試用期間がある理由2つと労働者にとってのメリット
試用期間中に雇用形態を契約社員に置き換えることはできない
正社員雇用を前提とした試用期間に、雇用形態を契約社員に置き換えることはできません。そもそも試用期間とは、正社員として採用するためのテストとも言い換えられますので、契約社員へ雇用形態を変更する意味はないのです。職業安定法第5条の3条文に違反する可能性もあるでしょう。
試用期間で適性が測れない職種は契約社員で採用する場合もある
専門職など試用期間だけでは適性が測れない職種の場合は契約社員として採用する場合もあります。契約社員としてある程度まとまった期間の労働を経て、適性が見られた場合に正社員登用とするのです。
しかし、契約社員として長期間働いているのにも関わらず正社員に登用されない場合もあります。これは、適性の問題ではなく企業自体に正社員登用の意思があまりないことを表しています。
正社員になる前に試用期間がある理由①:適性を測るため
基本的に、正社員に簡単には辞めることができません。試用期間とは、正社員雇用の前に設ける仮の期間のことです。実際に正社員となって働く前に「この人は会社に合っている人材なのか」企業が確かめるためというのが理由の1つです。
試用期間では採用試験で見られなかった部分を企業側は知りたい
採用試験が筆記や面接のみの企業は多いです。しかし、適性があるかどうかの判断は採用試験だけでは難しいというのが本音です。そのため、試験では見られなかった部分を企業は知りたがっています。
また、試用期間を設けることでその期間中に本採用するかの判断ができます。試用期間は企業にとって様々なメリットがあるので設けている場合が多いのです。
ただし、試用期間中とはいえ労働契約は成立しています。基本的に、期間の満了とともに本採用に移行するものとされているので落胆する必要もありません。
正社員雇用の前に試用期間がある理由②:正式雇用までの時間を設けたい
試用期間とは、本採用になる前に適性を判断する期間です。試用期間中であっても勤務態度や能力などの適性を見て、採用しても良いと判断された場合に本採用することができます。
しかし、試用期間とは解雇権留保付契約という状態であり、採用試験だけでは分からなかった事情から適正に欠けると判断されたら、解雇の対象になりますので気をつけましょう。
試用期間中に分かった適性次第で解雇される可能性もある
正社員募集の試用期間は、会社と応募者との適性やマッチングを判断することが主な目的です。試用期間中の言動には特に注意しましょう。
契約社員の場合であれば、一度契約してしまえば契約満了まで解雇されません。 しかし、正社員の試用期間であれば契約前に解雇される可能性があります。
契約社員は試用期間と別物なので期間満了までは解雇されない
上記の点から考えても、試用期間と契約社員は別物と考えるべきでしょう。中には適性があるかどうかを知るために契約社員として採用する場合もあります。しかし、その場合は適性がなかったとしても契約社員として期間満了までは解雇してはならないのです。
現代においては「正社員登用前提の契約社員」という雇用形態も増えてきていますが、契約社員であっても権利は正社員とほぼ同等なため、厳密にいえば試用期間とはいえません。
正社員としての試用期間では労働者側にもメリットがある
これまで、正社員になる前に設けられた試用期間には、企業側に様々なメリットがあると説明してきました。しかし、実は労働者側にもメリットはあるのです。正社員採用の前に試用期間が設けられることによる、労働者へのメリットについてみていきましょう。
試用期間中であれば辞退しやすい
試用期間中の労働者側のメリットはずばり辞めやすいという点です。試用期間とはあくまで労働者のお試し期間であり、本採用ではないため、満了前であればそのタイミングで本採用を辞退できます。労働者も辞めるタイミングがはっきりしているので退職しやすいでしょう。
試用期間とは労働者の適性を見ると同時に、企業側との適性も見れる所が労働者のメリットになります。労働者側の見られているという意識も大切ですが、労働者側もどんな企業なのか見定める気持ちを持って臨むと良いでしょう。
正社員になる前に試用期間や契約社員の期間があるのは試験で見れない適性を測るため
正社員雇用の前に、契約社員登用や試用期間が設けられる理由をまとめてみましたが、いかがでしたか。適性があるかどうかは、採用試験だけでは判断できません。企業は、試用期間を設けて試験だけでは分からない部分を見ようとしているのです。
しかし、正社員になる前の試用期間は、企業が適性を判断するだけでなく、労働者側も企業を見て自分が長く働けいていけそうかを見定める期間ともいえます。お互いに適性を見て、気持ちよく働ける職場だと良いですね。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません