「知る」「知っている」の正しい敬語表現【尊敬語・謙譲語】

2016年11月29日敬語

「知っている・知る」を使う場面とは?

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知っているという言葉を使うのは、どんな場面なのでしょうか?当然「知ってる」と聞かれれば、返答は「知ってる」か「知らない」に限られますが、実は「知っている」ということを相手に伝えるのは、ビジネスの場や人間関係で重要な役割を果たすのです。円滑な関係性を築くためにもチェックしておきましょう。

知ってることであれば話題が盛り上がる

人間関係において、共通の話題というのは欠かせないツールです。それは、社会人になって仕事をする場合も同様です。大切な取引先が話題を振ってくれた時に「え、知りません…」という返答ばかりしていたら、次第に取引先は何も話してくれなくなります。分かっていることを伝えると、話題が盛り上がるケースが多いのです。

社内において上司と話をする時も同じことが言えるでしょう。せっかく話題のきっかけを作ってくれるのに、毎回「知りませんでした」ばかりでは、上司が報われないですよね。

知ったかぶりはしない方がいい

ただし、人間関係を構築するテクニックの一つとして、知らないことを正直に伝えて目上の人にかわいがってもらうというテクニックもあります。もしくは、取引先や上司のなかには「教えたがり屋」の人もいるでしょう。そういった場合は、知らない事を伝える際に「そうなんですか!」や「さすがですね!」など、感嘆の言葉を添えると良いでしょう。また、仕事をする上では基本的に、知ったかぶりはNGです。知らなくてがっかりされる以上に、相手からの印象を下げてしまうので要注意です。

知る努力をすると「素直さ」が伝わる

もし話題の中で、自分に知識がない事柄が出てきたら「知る」努力をしましょう。何かを調べて「知る」姿勢を見せると、周囲は勉強熱心だなと感心してくれます。はじめから知っていることについては問題ありませんが、何かを知らないときは「知る」努力をする事で、マイナスを一気にプラスに変えることが出来るのでおすすめですよ。

どうして正しい敬語表現が必要なのか?

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今回は「知る」や「知っている」の正しい敬語表現について見ていきますが、そもそもどうして正しい敬語表現が必要なのでしょうか?敬語には尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類がありますが、それらの名称を覚えるだけでなく、しっかりと使い分けることが大切です。敬語が必要になる背景をまずは確認してみましょう。

敬語を使うと言いたいことがスムーズに伝わる

仕事では色々な人と接する機会がありますので、年齢差や役職の差、親しいかどうかの差など、いろいろな差がある人との接触は避けられないものです。敬語にはそういったあらゆる差を埋め、自分が言いたいことを相手にスムーズに受け取ってもらえるようにするという大きな役割があるのです。

謙譲語や尊敬語を正しく使うと信頼につながる

正しい敬語というのは、細かく見ると時代によって変わるものです。一つ例を挙げるなら「お申し込みください」という表現は、実は「申す」という言葉が謙譲語だから不適切とされた時期がありました。しかし現在ではほとんどの人はこれを気にせず、文句を言ったりもしません。

とは言え、敬語をまったく知らなくてもいいかと言えば当然答えはNGです。敬語の使い方には、尊敬語や謙譲語の使い分けなどの基本的なルールがあり、それを破ると相手に不快感や不安感を与えてしまう場合があります。逆に敬語を正しく使えば、相手に安心と信頼を与える事ができるわけですから、きちんとおさえましょう。

「知る・知っている」の敬語は?

「知る」の敬語について、尊敬語と謙譲語の説明をします。敬語には尊敬語と謙譲語と丁寧語の三種類があります。尊敬語は主語に敬意を表し、謙譲語は目的語に敬意を表す言葉です。そして丁寧語はいわゆる「です・ます調」の言葉ですので、最も浸透している敬語ですね。では、実際に「知る・知っている」を敬語にする際の表現を見ていきましょう。

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尊敬語は「ご存知」

知るの尊敬語は「ご存知」です。例えば、社長と部下が会話していたとします。社長が、あることを知っていたことに部下が驚く。その際、使う言葉は「ご存知でしたか?」です。もちろん「知っていますか」でも悪くないですが、より丁寧な言い回しになります。これは「知る」の主語に敬意を表すのが尊敬語です。「知る」の主語、つまり取引先や社内で上司に対して使うのが「ご存知」ですので、主語が誰か間違えないよう注意しましょう。

謙譲語は「存じ上げる」と「存じる」

「知る」の謙譲語は「存じ上げる」と「存じる」です。例えば、二人の会話の中で偉い人が話題に上がったとしましょう。その人を知っていると敬語で言いたい場合は「(○○を)存じ上げております」です。ちなみに「存じ上げる」と「存じる」の違いですが、「存じ上げる」は対象が人の場合、一方で「存じる」は対象が物の場合に使うとされているのが一般的な通説です。

丁寧語は「知っています」

「知る」の丁寧語は「知っています」です。丁寧語に特段の説明は必要ないと思います。「知ってる」よりも「知っています」と表現するとより丁寧です。ただし尊敬語や謙譲語よりは尊重の度合いが低い表現です。これらは「です・ます調」の言葉ですので、ビジネスシーンでの最低限のスタートラインと捉えましょう。

「知る」の尊敬語「お知りになる」の問題点は?

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知るを尊敬語にする場合、先に述べた「ご存知」という表現以外にも「お知りになる」という敬語が可能です。なぜなら尊敬語は「お~になる」と言い換えれば、尊敬語として成立するからです。しかしながら「お知りになる」という表現には注意が必要になるようです。その理由を以下で確認します。

「お尻になる」と聞こえるため賛否あり

「お知りになる」は確かに敬語です。しかし「お知りになる」は「お尻になる」のように聞こえるため、好まない人もいます。これは文法上の問題ではなく、好き嫌いの問題ですね。文字で見れば誤解はありませんが、口頭で伝える際に相手に「え?」と思われてしまうかもしれないので注意しましょう。

「いる」の尊敬語との併用は危険なので避けよう

「お知りになる」は、場合によっては聞き手が「お尻になる」と聞き違える可能性があると見ましたね。ここでは、さらに誤解を生みかねない表現を紹介しますので、そちらの言葉遣いは使わないようにしましょう。会話の中で、いるの尊敬語「いらっしゃる」を用いて「~でいらっしゃいますか」という表現を使う機会は多いですが、絶対に避けたいのが「お知りでいらっしゃいますか」という言い方です。

これは先ほどのように「お知り」を「お尻」に置き換えると、「お尻でいらっしゃいますか」と言っていることになります。つまり「お尻ですか」と聞いているようなもの。たとえ誤解であっても、そのような場面は避けたいですよね。また、敬語を何度も重ねて使うのは、二重敬語と言って誤りでもあります。そういった観点からも、敬語は適度に正しく、意図がしっかり伝わるように使いましょう。

「知る・知っている」の敬語は尊敬語が「ご存知」で謙譲語が「存じ上げる」

知る・知っているの敬語表現について見てきましたが、いかがでしたか?知る・知ってるを敬語で表現する際は誰を立てるのか考えるようにしましょう。主語に敬意を表したい場合は尊敬語の「ご存知」を用い、目的語に敬意を表したい場合は謙譲語の「存じ上げる」を使います。丁寧語は「知っています」ですね。

「お知りになる」は尊敬を表す「お~になる」でも「お尻になる」を連想するなど賛否両論あります。「知る・知っている」の敬語は知識としては単純です。あとは実践の場で言い間違い、書き間違いをしないようを気を付ければ問題ないでしょう。

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2016年11月29日ビジネス

Posted by BiZPARK