偏差値はあてにならない?気になる大学院ランキングと実態
大学院では高度な学術を研究する
日本において大学院は、どのような位置づけなのでしょうか?大学の学部課程の上に設けられ、学部課程の卒業者およびそれと同等の学力を持つ人が、より深い学術を研究・応用するためにあります。そして、文化の進展に寄与することが、法的にも位置付けられています。大学院に進学するのは、理系の学生に多く見られるというイメージを持つかもしれませんが、文系・理系関係なく大学院は存在します。
進学する目的は専門性を高めるため
大学は国内において「最高学府」と言われますが、どうして大学院にまで進学するのでしょうか。その目的は、学術において、より専門性を高めるためと言えるでしょう。大学は、各専攻が設けられていますが、専門的な研究をするにはどうしても期間が短いというのが現状であるようです。そのため、大学では自分の専攻を極められなかった・物足りなかったと感じた人が、大学院へ進学します。一般的には修士課程・博士課程がありますが、博士課程ともなれば、一般人では到底理解できない領域にまで研究が進むようです。
大学院偏差値は探しても見つからない?
大学院に進学しようと決めた際に、大学に入学する時と同じように、「大学院の偏差値をひとつの基準にしよう」と考える人は多いでしょう。しかし、大学の偏差値は良く見かけても、大学院の偏差値はあまり見かけないはず。それには、ある理由があるのです。
大学院の偏差値という概念は存在しない
偏差値というのは、予備校業界が宣伝の際に用いる指標に過ぎないでしょう。大学を偏差値で格付けし、その中で上位の大学に学生を進学させれば、予備校側は「〇人の学生が〇〇大学に合格しました!」とアピール出来ます。偏差値は、そのための道具ともいえるでしょう。偏差値は、大学院の価値を表せる数値ではないのです。
ランキングを見る時は、何に関するものかに注意
偏差値がないにもかかわらず、大学院のランキングがしばしば話題に上がることがあります。その時に言われるランキングというのは、偏差値ランキングではなく、司法試験の合格率ランキングであったり、ノーベル賞受賞者の輩出率ランキングであったり、それぞれのランキングで意味合いが全く異なります。
例えば、独自調べによる「司法試験合格率ランキング」は…
第一位:一橋大学大学院
第二位:京都大学大学院
第三位:東京大学大学院
第四位:神戸大学大学院
第五位:慶応義塾大学大学院
となっていますげ、合格者数ランキングについて見ると、また変わったランキングになります。
また「ノーベル賞受賞者輩出数ランキング」では、
第一位:名古屋大学大学院
第二位:京都大学大学院
第二位:東京大学大学院
となっています。
それぞれの大学院で、特に研究が発達している分野かどうかでもランキングが大きく変わりますから、ランキングを見る時には、そのランキングが一体何に関するものなのかに注意して見ましょう。なお。上記のランキングは独自調べによるランキングですので、参考程度に留めておいてください。
大学院へ進学するために必要な能力と将来性
大学院に進学するためには、偏差値を元に学力を上げれば良い、という訳ではないのです。大学院の入試では、教授との面接等を受けなければなりません。教授は、応募者の受け答えで、学力や論理力を見ています。そのような意味では、単純な学力だけでは、大学院に進学できないでしょう。
進学が就職活動の足かせになる場合もあるので注意
大学院へ進学しようと考えている人は、就職についてもよく考える必要があります。理系の場合は、技術者としての就職の道が多いです。しかし、文系の大学院進学は、進路を狭める場合があるのです。現在、大学院の修了者は、研究者の需要を上回るほどいるようです。そのため、大学院に入ったから一流企業への就職ができるとは限りません。
最近は、大学院を評価し、院卒を積極的に採用する企業もあります。しかし、そのような企業は全体で見ても少数です。研究者など大学院を出たほうが有利なケース以外は、リスクもあると考えて、自分の能力を客観的に判断して、大学院に進学するか考えるべきなのです。
将来が決まっていない人は大学院に進学するのもアリ
これまでは、学歴や偏差値の壁が、早い時期にその人の人生を決めてしまう状況がありました。進んだ大学によっては、就職やそれ以後の人生に影響を与えることもあるでしょう。
そういう意味で、大学進学後に「もっと勉強したい」と学業に目覚めたのであれば、すでに遅いといえるのですが、将来を決めていない人にとっては、少なくとも自分の価値を高められる大学院という選択肢が残っているのは、メリットがあるといえます。
偏差値では図れない!大学院が持つ「ブランド」
大学や大学院の名前というのは、現在でも大きなブランド力があるといえます。大学院に進学する際、偏差値はあまり関係がないとしても、企業や世間は大学の偏差値と変わらないイメージを持つでしょう。
あなたの将来の進路が研究者や税理士などであれば、旧帝大や、首都圏の有名私立大クラスなど偏差値の高い大学院を卒業している人が圧倒的な多数派です。特に大企業では、院卒以上でないと研究職に就けないケースも多いので、研究職を視野に入れて進学するなら、6年間学ぶと考える必要があります。
大学院への進学で未来が変わるケースも
大学院には、基本的な総合力や研究能力は問われますので、企業も大学の偏差値ではその人を判断できません。したがって、三流大学から一流大学の大学院に進学できれば、未来が変わる可能性を秘めているのです。
もちろん一流大学の学部から、そのまま大学の大学院に進学する方が評価は高いでしょう。しかし、偏差値の高い大学の大学院に、偏差値の低い大学からでも進学できれば一定の効果はあるのです。
大学院が設置されているところは…
大学院は、大学の専攻分野をより深く学ぶための機関ですが、すべての大学に大学院が設置されているわけではありません。また、自分が通っていた大学に大学院があるにもかかわらず、他の大学院へ進学する人も少なくありません。大学→大学院という流れが基本ですが、どの大学からどの大学院へ進学するのかは、個人で決める事なのです。
一覧!国公立の主要大学院↓
・北海道大学大学院
・東北大学大学院
・筑波大学大学院
・千葉大学大学院
・東京大学大学院
・一橋大学大学院
・横浜国立大学大学院
・金沢大学大学院
・名古屋大学大学院
・京都大学大学院
・大阪大学大学院
・神戸大学大学院
・岡山大学大学院
・広島大学大学院
・九州大学大学院
・首都大学東京大学院
・大阪府立大学大学院
・横浜市立大学大学院
・大阪市立大学大学院
有名な国公立だけにターゲットを絞って見ると、上記の大学院がありますね。研究機関の開発が進むと、様々な研究科が広がるようです。また、今回は独自調べにより、大学院が設置されているところを紹介しましたが、実際に進学する際には、あくまで参考程度にとどめ、具体的な要項などを確認する事をおすすめします。また、私立大学にも大学院はたくさんあります。今回は国公立の大学院のみになりましたが、早稲田や慶応をはじめ、私立にも大学院があることをお忘れなく。
大学院に偏差値という概念は存在しないが進学すれば未来が開かれる可能性も!
今回は、進学希望者が知っておくべき大学院の偏差値という概念について見てきましたが、いかがでしたか?実は「大学院偏差値」という概念がないという点が分かりました。そのため、偏差値ランキング等も存在しえず、ランキングについては何を基準に発表されたものなのかを気にしながら見なくてはいけません。
また、場合によっては選択肢を狭めるリスクについても分かりましたね。しかし、大学院への進学した形よっては、大きく未来が開かれる可能性があるのです。あなたが将来、何を目指したいのか、どう生きたいのかをしっかりと固めて、それとデメリットを天秤にかけて大学院への進学を決めるようにしましょう。今回ご紹介した大学院一覧をはじめ、進学を考えている人は是非じっくり考えてみてください。
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