高齢化社会の縮図である日本の介護問題3つ
日本の介護問題における現場の問題点①:介護職員の人手不足
日本の介護問題における現場の問題点の一つ目は「介護職員の人手不足」です。日本の介護問題を語るとき、つねに挙がるのが人手不足という問題点です。介護の現場では、低賃金・重労働・長時間労働が日常になっているうえに、夜勤もあるため、介護職員になりたい人が少ないのです。
若い人を介護の現場から遠ざけている問題点は介護職員の低賃金にある
特に、介護職員の低賃金は、若い人を介護の現場から遠ざけている大きな原因の一つです。厚生労働省が発表する、介護従事者処遇状況等調査によると介護施設で働いている人の平均賃金は、正社員でも約330万円程度です。パートや臨時職員も多く、これらの非正規雇用はさらに賃金が低くなります。また、介護職には介護福祉士やケアマネージャーなどの国家資格がありますが、実務経験も必要な難しい国家資格を取得しても、それが賃金に反映されないのが現状です。
日本の介護問題における現場の問題点②:3人に1人は3年以内に辞めてしまうという離職率の高さ
日本の介護問題における現場の問題点の二つ目は「離職率の高さ」です。介護労働実態調査の結果によると介護の仕事に就いた人のうち、3人に1人は3年以内に辞めてしまうというデータが出ています。また、介護福祉士の資格を持ちながら、介護の仕事に就いていない人の割合は40%を超えていると言われています。つまり、国家資格まで持ちながら働き続けることに魅力を感じない職種となっているのです。
人手不足による職員の介護スキルや介護サービスの低下も問題点
離職率が高い事は、人手不足を招くとともに、職員の介護スキルや介護サービスの低下を招く事が日本の介護問題となっています。新しい人を雇っても介護スキルが身につく前に仕事を辞めてしまう為、介護施設は常に、新人教育をしなければならなくなり、現場の大きな負担となっています。離職率の高さは、介護施設自体の疲弊を引き起こしているのです。
日本の介護問題における現場の問題点③:新人が定着しない為に起こる現場を支える職員の高齢化
日本の介護問題における現場の問題点の三つ目は「職員の高齢化」です。日本の高齢化は介護の現場にも押し寄せているのです。上記のように、介護の現場にはなかなか新しい人が定着しません。そのため、今までいた人ががんばって介護の現場を支えなければならず、その人達の高齢化が進んでいるのです。
肉体労働の介護職員には腰痛やリュウマチ・ヘルニアを抱える人が多い事も問題点
介護は肉体労働です。介護職員の中には、腰痛やリュウマチ、ヘルニアを抱えている人が多く、そのために離職する人もいます。また、職員の高齢化により介護サービスの低下が起こっています。入浴介助など、今まで提供できていたサービスをとりやめる施設も増えています。最近では介護用ロボットの開発が進んでいますが、それらは高価で導入できる施設は多くありません。
日本の介護問題における現場の問題点には介護職員の低賃金・人手不足・サービスの低下・高齢化があって抜本的な対策が必要
以上が、日本の介護問題における高齢化社会の縮図である現場の問題点についてです。日本の高齢化はこれからますます進んでいくと言われています。日本の介護問題がさらに深刻になり介護の現場が破たんしてしまう前に、介護問題を解決するための抜本的な対策が必要になっています。
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