伝言メモに書く内容と正確に作成するための電話対応マナー
伝言メモに書く内容とは
電話対応時に担当者が不在だった場合、電話対応した人は「伝言メモ」を残す機会が多々あります。不在だった担当者はその伝言メモを見て電話があったことや誰がかけてきたのか、用件などを把握します。つまり電話対応した人は、伝言メモに過不足なく必要事項を盛り込まなければならないのです。
伝言メモの残し方として、不在だった担当者にとって親切な伝言メモの残し方とは、どんな残し方でしょうか。伝言メモに書かなければならない必要事項とはなんでしょう。
内容はいつ・誰宛・誰から・用件・内容・電話対応した人の名前
電話対応時に不在だった担当者宛の伝言メモのポイントは、一瞬で分かる明快なものにすることです。一枚のメモ用紙に箇条書きで次の内容のものを盛り込みます(「( )」の中は例です)。
①電話の日時 (⇒○日○時)
②誰宛か (⇒田中専務 )
③誰からか (⇒太田課長 )
④用件は? (⇒折り返しの電話)
⑤内容は? (⇒報告書の件)
⑥電話を受けた人 (⇒中田)
悪い伝言メモの特徴は、②から④までしか書かれていない点です。良い伝言メモは①と⑥までしっかり記載されたものです。伝言メモをとる際は「5W1H」を意識しましょう。
伝言メモの例
上記の要点を押さえた伝言メモの例として次のものを挙げます。
田中専務宛 太田部長より
用件⇒戻り次第電話お願いします。
内容⇒報告書の件
××時××分
電話担当 中田
伝言を預かる場合は必ず復唱する
伝言を預かりメモにする際は必ず復唱します。間違ってメモを作成していないかを確認するためです。一番やってはいけないのは、相手の名前を間違えること。相手の名前を聞くときは、どの漢字で書くのかを聞いておくのがオススメです。
内容も間違えてはいけません。内容によって対応が変わる可能性があるためです。伝言メモでミスをすると電話をかけてきた人と担当者の両方に迷惑をかけます。伝言を預かる際は必ず復唱して、ミスを防ぎましょう。
余計なことは書かない
伝言メモには必要な事項以外は書かないのが鉄則です。上述のいつ、誰あて、誰から、用件、内容、電話対応した人のみを書けば、伝言メモとして十分です。 気を利かせて何か一言書いたとしても、逆に「気が利かないな」と思われてしまう可能性があります。 余計なことは書かず、すっきりした伝言メモを作成しましょう。
正確な伝言メモを作成するための電話対応マナー
正確な伝言メモを作成するためには、電話対応のマナーが必須。実際に電話応対の仕方いにょってトラブルに発展するケースはよくあります。電話応対応でトラブルにならず、正確な伝言メモを残すには、そのようなマナーを身につけるべきでしょうか?
丁寧な話し方を意識して「恐れ入ります」の一言を忘れない
電話対応は大きな声でハキハキ話すのが基本中の基本。声が小さかったり、はっきりしない話し方だと聞き取りにくいだけでなく、印象が悪くなります。会社に電話をかけてくるのはお客様である場合がほとんどですから、丁寧な話し方を意識しましょう。
相手の名前を確認したり、連絡先を聞きたいときなどは「恐れ入ります」の一言を添えるだけで非常に丁寧な印象を与えます。
聞き取れない時は聞き返す
聞き取れない時は、必ず聞き返してください。聞き返すのは失礼な行為ではありません。ただし、相手を不快にさせないような聞き返し方をする必要があります。以下のように聞き返しましょう。
「恐れ入りますが、もう一度お願いできますでしょうか」
「恐れ入りますが、少しお電話が遠いようなので、もう一度お願いいたします」
「恐れ入りますが、お電話番号をお伺いできますでしょうか」
「まことに恐れ入ります。もう一度御社名をお伺いできますでしょうか」
ちなみに復唱する際も、以下のような一言添えると丁寧で相手に不快感を与えないのでオススメです。
「復唱させて頂いてもよろしいでしょうか」
「確認のため、復唱させて頂いてもよろしいでしょうか」
ただし何度も聞き返すのはマナー違反
聞き返すのは失礼ではない、と上述しましたが、何度も何度も聞き返すのはさすがにマナー違反になります。どんなに丁寧な聞き返し方をしたとしても、相手は不快に感じるでしょう。 何度も聞き返してしまうような時は、「恐れ入りますが、電話が不調のようですので、もう一度お願いできますでしょうか?」と電話機器の不調のせいにする聞き返し方が無難です。聞き取れないのは機器のせいにしつつ、謝罪すれば問題にはならないはずです。
作成した伝言メモをどこに置くかも重要です。伝言メモを送った相手がメモに気づかなければ、作成した意味はありません。伝言メモはどこに置くのがベストでしょうか?
置き方①:わかりやすいところに置く
伝言メモは分かりやすいところに置きましょう。雑然とした机の上や、本や資料の間に紛れ込まないように注意してください。
また、風で飛んでいかないような配慮も必要ですね。完璧な内容の伝言メモを作成しても読まれなければ意味がありませんし、読まれるとこまで考えるのが電話対応した側の責任になります。
机の上に重しを乗せて置いたり、PCに貼り付けたりするといいですね。
置き方②:会社のルールに従う
会社によっては、伝言メモ置き場所が決まっているところもあります。この場合は会社のルールに従うのが無難です。
会社で決まっている伝言メモを置く場所より、もっとわかりやすい置き場所があるとしても、会社の慣例を無視すると、周囲からの評価を下げてしまうかもしれません。
置き方③:口頭でも伝える
伝言メモは紛失しないように気をつけて置いたとしても、何らかのアクシデントでなくなってしまう可能性もあります。そのため、伝言メモを作成して置いた際は、口頭でも伝言メモがあると伝えましょう。
口頭で伝える際は、伝言メモに記載した内容はすべて伝えましょう。口頭で伝える用の伝言メモを残しておき、伝えた人の名前と日時を書き込みます。口頭でも伝えたという証拠を残しておくために、伝えた相手が伝言メモを見るまでは捨てないで取っておきましょう。
伝言が急用だった場合
急用のため、伝言メモを残して折り返しを待つような時間がない、という場合もあると思います。あるいは伝言の内容が急用である時、どう対応すべきでしょうか?
取り次ぐ担当者が会議・接客中である時は伝言メモを渡しに行く
取り次ぐ担当者が社内での会議や接客中のため不在である場合は、基本的には会議や接客が終わってから伝言を伝えます。
急用である時は伝言メモを作成し、会議や接客の邪魔にならないようにタイミングを見計らって「お話し中のところ、失礼いたします」と断りを入れて、伝言メモを担当者に渡します。その後は担当者に指示を仰ぎ、返事の連絡を折り返しで入れます。
この際、口頭ではなくわざわざ伝言メモで伝える理由は2つあります。
①会議や来客者の邪魔にならないようにするため
②周りの人に伝言の内容を知られないようにするため
担当者が外出中の時は至急連絡を取って折り返し電話をさせる
担当者が不在中に急用の電話がかかってきた場合は、「申し訳ございません。◇◇はただいま外出しております。よろしければ至急連絡を取り、折り返しお電話するよう申し伝えますが……」とまず説明します。
急用であるなら、至急担当者に連絡を取って折り返し電話をさせるのが一般的です。連絡がつかなかった場合は留守電にメッセージを残しましょう。
伝言メモのテンプレートを自作してみよう
普通のメモ用紙に必要事項を書いて伝言メモにするのも良いですが、手間を省くために伝言メモのテンプレートや、既製品として販売されている物を使うのはどうでしょう?
販売されている伝言メモの種類は豊富にあり、最近では事務的な伝言メモだけでなく、可愛らしいデザインや漫画風の物まで揃えられています。
気に入った既製品を購入して使うのも楽しいですが、業務上で使い勝手が良い伝言メモがなかなか見つからないという人もいます。
使い勝手が良い伝言メモが欲しい人には、テンプレートを自作することをオススメします。
よく使う「用件」にチェックを入れる欄を作る
オリジナルの伝言メモを作成する際は、よく使う「用件」を記載し、チェックする欄を作っておきます。こうすると、該当する用件にチェックを入れるだけで済みます。
例えば、
□お電話がありました
□折り返しのお電話をお願いします
などですね。
電話対応における伝言メモだけでなく、用途に応じて
□ご来店されました
□資料が届いてます
□入金を確認しました
□振込完了しました
などの用件を加えても便利ですよね。自分が使いやすいように記載する「用件」を考えましょう。
5W1Hを盛り込みつつ使いやすいようにカスタマイズする!
伝言メモのテンプレートを作成するメリットは、自分の使いやすさを重視したメモを作成できる点です。「伝言」欄にノートのような罫線を引いたり、テンプレートとして自分の名前を記載しておくなど、手間を最大限省く工夫ができます。
テンプレートを作成するなら、以下の項目を必ず盛り込んでください。
○電話があった日時
○誰宛ての電話か
○誰からかかってきたのか
○用件
○内容(伝言欄)
○誰が受けたか
これらも自分が使いやすいようにテンプレートを作成しましょう。
イラストが得意であれば、オリジナルのイラストを書くのもいいですね。
伝言メモの内容は「5W1H」でまとめて不明瞭な点は必ず聞き返すのがポイント
伝言メモに書く内容と、正確に作成するための電話対応マナーについて説明しました。正確な伝言メモの作成は、ビジネススキルの基本中の基本。特に新入社員は電話対応業務を任される機会が多いので、伝言メモを正確に作成するスキルは必ず身につけなければなりません。
正確な伝言メモを作成するには、電話対応のマナーも必須です。相手が不快になるような対応で何度も聞き返したり、逆に用件や相手の名前をよくわからないまま電話を切るのはマナー違反です。トラブルの原因になります。
伝言メモの作成方法とそのための電話応対のマナーを覚えて、社会人に必要な基本的なスキルを身につけましょう。
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