value propositionの正しい意味と活用例3つ【マーケティング用語】
「Value Proposition(バリュープロポジション)」の意味
マーケティングの世界はまだまだ新しい分野であるだけに、使われる言葉には変化や新しい言葉の流入が多く、日本語での定番表現が定まっていないものも沢山あります。実は、「Value Proposition(バリュープロポジション)」もその1つなのです。
あまり使われていない言葉かもしれませんが、英語圏や外資ではよく使われるマーケティング用語のひとつです。
Value Propositionとは「価値」のこと
直訳すると「価値命題」ってことになるのですが、その意味は「お客様の視点から見て意味ある価値」「他社と比べて自社が提供できる優れた価値」ということで、少なくとも、「お客様」と「競合との比較における自社」の二つの視点が入っているものと見ることができます。
Value Propositionとは「対価としてふさわしい商品」
「Value Proposition(バリュープロポジション)」とは、企業が競争に勝つためサービスや製品で差別化を図り、わが社はあなたの支払う対価にふさわしい内容のサービスや製品を提供しますとPRしている……という認識が正しいです。
Value Propositionとは「顧客がべネフィットと感じるもの」
「Value Proposition(バリュープロポジション)」とは、プロジェクトの起点となる価値提案。企業が「顧客に提供する価値」の組み合わせのこととも言えます。ここでいう価値とは、商品、価格、販売方法、顧客対応など、顧客がベネフィット(利得)として感じるもの全てです。
「Value Proposition(バリュープロポジション)」の活用例
では、実際にマーケティングの分野で「Value Proposition(バリュープロポジション)」を活用している例を見てましょう。
虫歯予防ガムの成分になっている甘味料「キシリトール」は、取引先を超えてビジネスを大きく仕掛けて、成功した例です。キシリトールガムを例に見ていきましょう。
value propositionの段階①:キシリトールガムが創り出した新しいビジネスモデル
キシリトールガムを普及させるマーケティング手法がうまくいったのは、歯医者さんを巻き込んでプロモーションをかけていった……という点にあります。しかし、当初はうまくはいかなかったようです。なぜなら、ガムで虫歯予防をされてしまうと虫歯治療をする歯医者さんの仕事が減ってしまうと思われていたからだそうです。
value propositionの段階②:『虫歯の予防をする』という歯医者の新しい価値
「歯を守る」というユーザーにとってはメリットとなる要素は、当時の歯科医師にとってはデメリットになってしまいました。
「虫歯を治す仕事」である歯医者にとっては、患者の減少=利益の減少となってしまうからです。
しかし、この状態を打破したのが「発想の転換」です。
キシリトールガムは、歯医者=虫歯予防という概念を生み出し、その補助として製品を打ち出したのです。
この概念が浸透すれば、歯医者にとっては「今まで虫歯になるまで歯医者を利用しなかった人たち」という、新しい顧客の獲得が成功します。
つまり、キシリトールガムは歯医者との関係を「Win-Win」なものに逆転させたのです。
value propositionの段階③:『マルチwin』というカタチで完成した
1997年、キシリトール認可直後に歯科専用ガムが発売し、大きなブームが起きました。現在、ガムの80%はキシリトール入りです。キシリトールが入った商品売上は2000億円にもなるそうで、消費者、歯科医、専門商社、ガムメーカー、キシリトール生産者がともにマルチWinになる仕組みができあがっています。
Value Propositionの意味!プロポジションとは顧客にとっての価値あるもの
まだまだ耳馴染みのないマーケティング用語「Value Proposition(バリュープロポジション)」ですが、誰もが知っているキシリトールガムはこの考え方で大成功を収めています。このように、企業にとって価値があり、また顧客にもメリットがある、そんな「Win-Win」な提案が出来れば、それを良い「Value Proposition」と呼んで良さそうです。キシリトールガムのほかにどんな成功例があるのか、調べてみると新しい発見があるかもしれません。
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