敬語の使い方・覚え方と間違えやすい二重敬語
敬語の種類とは?
敬語とひとくくりで言っても、状況に応じて「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」と使い方は様々です。
敬語の覚え方を知る前に、まずはそれぞれの敬語についてある程度でいいので理解を深めておきましょう。大事な取引先やお客様に失礼とならないよう、ビジネスマナーの基本を覚えておくべきです。
ちなみに、敬うべき相手との会話の中で、自分の上司について話をする際には敬語を使う必要はありません。
敬語の種類①:「尊敬語」で対象への敬意を表す
尊敬語とは、相手や話題に出てくる人物について、動作や状態などに尊敬の意を込めて表現するときの敬語です。会話の中で基本的に使用する敬語だと言えます。
■「いらっしゃる」「お越しになる」「召し上がる」「お聞きになる」「ご覧になる」 「お掛けになる」などが例として挙げられます。
敬語の種類②: 相手を持ち上げ自分を下げる「謙譲語」
敬語の中で特に使い方が分かりにくいのが謙譲語です。使い方としては、対象となる人を持ち上げて、自分を下げる。そういった認識で問題ありません。相手への最上級の敬意を示すときなどに使用します。
■「うかがう」「拝見する」「いただく」「申し上げる」「お伝えする」「お目にかかる」 「ご連絡する」などが挙げられます。
敬語の種類③: 文字通り丁寧な文章を作る「丁重語」
丁寧語とは、言い回しを丁寧にした敬語の使い方のひとつです。尊敬語も丁寧語も、基本的にこの丁寧語と組み合わせた使い方が多いです。
■普段何気なく使っている、「です」「ます」「ございます」の3つが丁寧語の基本です。メールや書面でも、まずは丁寧語を使います。
敬語の覚え方のコツとは?
敬語には、実は簡単な覚え方があります。
基本的には前者の【基本形】を応用した覚え方をすれば問題ないのですが、言い回しが変わってしまう【特殊形】も存在します。
そのため、以下のふたつのパターンをしっかりと覚えておきましょう。
敬語のわかりやすい覚え方【基本形】
■使い方①「お~になる」
・「食べる」・・・「お食べになる」
・「話す」・・・「お話になる」
・「触る」・・・「お触りになる」
■使い方②「~れる」「~られる」
・「食べる」・・・「食べられる」
・「話す」・・・「話される」
・「触る」・・・「触られる」
敬語のわかりやすい覚え方【特殊形】
敬語の言いまわしを変えるのではなく、そもそも言葉自体を変えてしまうパターンもあります。
そのため、次に挙げる敬語に関しては、特殊な形としてしっかりと覚えておく必要があります。
・「食べる」・・・「めしあがる」
・「見る」・・・「ごらんになる」
・「する」・・・「なさる」
・「話す」・・・「おっしゃる」
・「いる」「行く」・・・「いらっしゃる」
・「くれる」・・・「くださる」
間違えやすい二重敬語とは?
丁寧な言葉遣いをしようとするあまり、二重敬語となってしまう事もあります。
二重敬語はビジネスシーンにおいては逆効果です。ついうっかり敬語を重ねて使用してしまわないように注意しましょう。
よくやる二重敬語「おっしゃる」「お帰りになられる」に注意!
■「おっしゃられる」
例「~と社長がおっしゃられていました」
よく聞く敬語の使い方のようにも見えますが、これは典型的な二重敬語なので使い方としては間違いです。正しくは「社長がおっしゃっていました」なので気を付けておきましょう。
■「お帰りになられる」
例「お客様がお帰りになられました」
「お~なる」「なられる」と、尊敬表現が重複してしまっています。この場合、「お帰りになりました」または「帰られました」などの使い方が正しいです。
「役職+様」は間違った使い方
■「社長様」「課長様」
「社長様」と、社長という役職に様をつけるのは、二重敬語になり国語的には間違った使い方となります。日本語では役職名は様と同等の扱いとなり、会長、社長、部長、課長、係長という役職の中に、敬語の意味がすでに入っているのです。一方、「社長の佐藤様」という使い方は間違いではありません。
敬語の使い方・覚え方には明確な決まりがある
敬語の使い方と覚え方についてまとめてみましたが、今までの認識と合っていましたか?
敬語の用途と使い方さえしっかりと押さえておけば、実は意外と簡単な覚え方があるのです。社会人と名乗るからには、「知らなかった」じゃ済まされない敬語の使い方。この機会にしっかりと敬語の使い方・覚え方を身につけておきましょう。
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