医師事務作業補助者とは?仕事内容と資格の種類を紹介
医師事務作業補助者とは「医師が行う事務的な業務をサポートする」職種
医師事務作業補助者とは、読んで字のごとく、医師が行う事務的な業務をサポートする職種のこと。医師には診察や手術以外にも多くの業務があり、そのなかには事務的なものも含まれます。医師事務作業補助者とは、多忙な医師を支える縁の下の力持ちとも言えるでしょう。病院によって呼び方はさまざまで、医療秘書や医療クラーク、メディカルアシスタント(MA)などと呼ばれることも。
医師事務作業補助者の主な仕事内容
まずは、医師事務作業補助者の主な仕事内容について。大きく分けて4種類に分類されます。
① 診断書や診療情報提供書などの作成代行
② 電子カルテなど診察記録への代行入力
③ カンファレンス(※)の準備、ガン登録、外科手術の症例登録
④ 行政への対応(厚生労働相などに報告する診療データの整理など)
※カンファレンスとは、医師やケアマネジャー、サービス事業者などの援助者が集まって行う会議。
医師事務作業補助者は資格がなくても働ける
医師事務作業補助者は、講習を受けたり資格をとることもできますが、資格がなくても働くことはできます。実際に、資格を持たず働いている人も多くいるようです。業務のなかで、医師や医療スタッフ、事務員などとの連絡や調整が多く発生するため、コミュニケーション能力がもっとも求められるという声も聞かれます。
ただ、医師事務作業補助者として勤務したい場合、なんの知識や経験もない人よりは、講習を受けたり資格を持っていたほうが優遇されるのはまちがいありません。では、次項で医師事務作業補助者のいくつかの資格について、ご説明します。
医師事務作業補助者の資格一覧
医師事務作業補助者の資格には、いくつかの種類があり、条件もさまざま。それぞれの資格についての詳細は以下のとおり。
医師事務作業補助技能認定試験
一般財団法人日本医療教育財団・公益社団法人全日本病院協会が主催する資格試験。医師事務作業補助業務に従事する人を対象に、知識および技能の評価・認定することにより、職業能力の向上と社会的経済的地位の向上を目的としています。この資格試験に合格すると、「ドクターズクラークR」の称号が付与されます。受験資格は、以下のとおり。
1、教育機関等が行う教育訓練のうち、認定委員会が認定規程により定める「医師事務作業補助技能認定試験受験資格に関する教育訓練ガイドライン」に適合すると認めるものを履修した者
2、医療機関等において医師事務作業補助職として6ヵ月以上(32時間以上の基礎知識習得研修を含む)の実務経験を有する者
3、認定委員会が前各号と同等と認める者
※1~3のいずれかに該当する者
年6回、奇数月に実施されており、学科が50分、実技が60分の試験です。学科および実技試験のそれぞれの得点率が70%以上で合格です。
医療秘書技能検定試験
一般財団法人医療秘書教育全国協議会が主催する技能検定試験。医療秘書としての専門的知識と技能を認定するための資格試験です。審査は3級・2級・準1級・1級と4つに分かれており、受験資格はとくになし。試験領域I~III(各100点)の合計得点が180点以上で、さらにそれぞれの領域の正解率が60%以上の場合で合格とします。
検定は年に2回実施。医療秘書技能検定試験は、医療界における事務のスペシャリストを目指す人にとって、必須の資格とも言えます。また、準1級以上に合格することにより、医師事務作業補助技能認定のひとつの条件を満すことになるため、最近では医療実務者の受験も増加傾向にあります。
医師事務作業補助者実務能力認定試験
全国医療福祉教育協会が主催する資格試験。医師事務作業補助者に必要な医学知識や法律、文書作成能力などを評価することを目的としています。受験資格はとくになし。
学科問題(マークシート):20問と実技問題(各種書類作成):3問が出題され、試験時間は120分です。この資格試験は、参考書やノート等の資料を持ち込みが可能となっています。原則として6割以上の正解率で合格になります。合格率は60~80%。
メディカルセクレタリー(初級)認定試験
NPO法人日本メディカルセクレタリー機構が主催する資格試験。医師事務作業補助者(メディカルセクレタリー)として必要な「医療に関する法律・法令」「医学・薬学等」などに関する知識や技能を評価することを目的としています。
受験資格は、厚生労働省が医師事務作業補助者配置の基準としている32時間以上の研修を履修した者となり、学科50分と実技30分の試験。業界未経験者でも、これからメディカルセクレタリーとして活躍できる基礎知識を有していることが証明される資格であり、医療業界へのキャリアチェンジを目指す人にとっても、最適な資格です。
医師事務作業補助業務実務能力認定試験
特定非営利活動法人 医療福祉情報実務能力協会が主催する資格試験。医師事務作業補助業務において求められる能力を有することを証明する資格です。受験資格は下記のとおり。
①協会指定教育機関において認定医師秘書 講座の受講修了をした者
②医療機関において医師事務作業補助職として6か月以上(32時間以上の基礎講習や研修等を修了している者を含める)の実務経験を有し、協会規定の実務経験証明書において、実務経験保有者と確認がとれる者
※医療事務、経営・管理に関する事務・看護・診療補助等は該当しない
学科と実技の試験があり、年1回の実施となっています。
医師事務作業補助者とは医師の代わりに事務業務をサポート!資格があると有利
医師事務作業補助者とは、多忙な医師に代わり事務業務をサポートする職種。医療業界では大変注目度が高く、重要な役割を果たします。この医師事務作業補助者は資格がなくても働くことはできますが、資格をとればより貢献度の高い仕事ができるでしょう。昇給も期待できるかもしれません。
また、医療業界へのキャリアチェンジを目指す場合に、有利になる資格もあります。自分にとって必要な資格を見極め、有効に活用してください。
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