決算書と財務諸表でもう間違えない!明確な2つの違い
「決算書・財務諸表」は決算で出てくる帳票をいう
決算においては、たくさんの帳票が作成されます。企業は決算を行う義務がありますが、その決算作業の結果が、こういった帳票なのです。そして、この中でよく出てくるのが、「決算書」「財務諸表」です。
決算書と財務諸表の違いは分かりにくい!
では、この決算書と財務諸表は、どこが違うのでしょうか。実際は、全く別のものです。しかし、経理などでの会話ではどちらも決算のときに作るものとして、同じように話していたりするので、混同しがちなのです。
決算書と財務諸表の違い①:定められる法
決算書も財務諸表も、決算対応を行った結果として作った書類という点では同じです。しかし、大きく2つのポイントで違いがあるのです。まずは1つ目の違いから見ていきましょう。1つ目の違いのポイントは、「定められる法」です。
決算書:法人税法や消費税法などの税法に基づく
まずは決算書から見ていきます。この決算書という用語は、法人税法や消費税法などの税法に基づいた用語となります。つまりは、税法で定められている帳票が決算書なのです。
財務諸表:金融商品取引法に基づく
次に財務諸表を見ていきます。財務諸表という用語は、先ほどの決算書が定められている税法ではありません。金融商品取引法という法で規定されているものになります。言葉は確かに難しいかもしれませんが、覚えてしまえばそこまで難しいものではありません。
決算書と財務諸表の違い②:具体的な書類
それでは決算書と財務諸表の違い2つ目を見ていきます。実は決算書と財務諸表では具体的に作成する書類に微妙に違いがあります。ここは一番皆さんが混同してしまいがちな要因でもあるので、しっかり覚えてしまいましょう。
≪決算書≫の具体的な書類↓↓↓
税法において決算書として指しているのは、以下のようなものになります。
■貸借対照表
■損益計算書
■株主資本等変動計算書
■勘定科目内訳明細書
耳慣れた物も多いでしょう。こういったものは、財務諸表と重複しているものも多いといえます。損益計算書を見れば業績の大筋は掴む事ができますので、そちらだけでも覚えてしまうと良いでしょう。
≪財務諸表≫の具体的な書類↓↓↓
そして、金融商品取引法において財務諸表に該当するとされているのは、以下の書類です。こちらもそれほど種類が多い訳ではありませんので、時間に余裕のある人は覚えてしまいましょう。
■貸借対照表
■損益計算書
■株主資本等変動計算書
■キャッシュフロー計算書
■附属明細表
【番外編】計算書類に関する法令と書類
計算書類という用語は、会社法で規定されています。会社法において計算書類に該当する書類は次の通りです。
■貸借対照表
■損益計算書
■株主資本等変動計算書
■営業報告書
■注記表
こちらの帳票のほうが、耳慣れない物が多いかもしれません。貸借対照表や損益計算書というのは、決算書と財務諸表、両方に共通しているということもあり、よく知っている人も多いものとなります。
決算書と財務諸表の違いは「基づく法」と「具体的な書類」にある
決算書と財務諸表の違いが、お分かりになったかと思います。この2つは、内容も違いますが、何よりの違いは、そのもとになっている法にあるのです。決算書は税法、そして財務諸表は金融商品取引法となります。
決算書と財務諸表ではこの理解をしておけば、明確な違いのベースはばっちりです。あとは、具体的な帳票などを参照してみて、その具体的な内容の違いを知っていきましょう。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません