好きなことを仕事にしたい人が知るべき職選びのポイント
好きなことを仕事にした人の約5割が後悔している
仕事選びをするときには、まず自分が何をやりたいのか?という事を考えるかと思います。そして自分が好きなことを仕事にしたり、好きな仕事、あこがれの仕事に就く人もいます。そうした人々の約5割が、「理想と現実のギャップが大きい」と落胆しているといわれています。結果、3年ほどで3割の人々が退職しています。
好きなことを仕事にして後悔している人が多くいるため、「好きなことは仕事にするな」と言われるのです。
好きなことを仕事にしたはずなのに、なぜこのような状況になるのでしょうか?
好きことを仕事にしても「やりたいこと」ができるとは限らない
小さいころからゲームが大好きだった男性が、ゲーム業界で働くことになったケースをご紹介しましょう。
ゲームの世界では、様々なアイデアや遊び方でお伽話のように、現実とはかけ離れた世界を楽しむことができます。大好きなゲームをプレイするうちに、「自分もこんな作品を作りたい!」という気持ちが芽生えた男性は、熱心に就職活動に取り組み、念願のゲーム制作会社に就職することができました。
しかし、男性に与えられた仕事は、意図したとおりにゲームが動作するようプログラミングをする仕事でした。頭の中のアイデアを形にする機会は訪れず、日夜ディスプレイ上のプログラミング言語とにらめっこをするばかりです。
好きなことを仕事にしたはずなのに、男性がやりたいことはできていないのです。
このように好きなことを仕事にしたとしても、必ずしも自分の「やりたいこと」を仕事としてやらせてもらえる、できるとは限りません。結果として、自分のやりたい仕事と、実際に与えられる仕事とのギャップにつまずき、「憧れていた仕事も、結局はこんな仕事なんだ」と失望してしまうのです。
好きなことを仕事にしても幸せではないこともある
先ほどの男性の例でいうと、ゲームといえどもそのゲームを「する」人と、ゲームを「作る、提供する」人では、ゲームに対する楽しみ方や考え方は異なります。今まで「する」から楽しかったゲームは、いざ「作る」となった時に想定していたことと大きく違った、とギャップに衝撃を受ける可能性は大きいでしょう。
つまり、生産することと消費することは、まったく異なるということです。好きなことを生産する仕事になったとしても、幸せになるとは限りません。
仕事選びのポイント①:「名詞」じゃなく「動詞」で選ぶ
「あなたの趣味、特技は何ですか?」と質問された際に、「野球」「サッカー」「音楽鑑賞」「読書」「お菓子づくり」など答えるかと思いますが、この趣味をそのまま仕事にしようとすると間違いを起こします。
「読書」は「本を読む」ことであり、「音楽鑑賞」は「音楽を鑑賞する」ことです。あくまでも、「本を書くこと」でも「音楽を創ること」でもありません。生産者と消費者はまったく別物という話です。
「好きなこと」ではなく「好きなもの」を仕事にしてしまった場合、確実にギャップに苦しむということを覚えておきましょう。
自分は「何をするのが好きなのか」を考える
例えば、野球が趣味で野球選手になりたい人は、
野球をする好き⇒好きな野球をどんどん上達しプロになる⇒プロになって野球をする
という風に、「野球観戦」という名詞ではなく「野球をする」という行為が好きなので、仕事にしてもギャップに苦しむということはないでしょう。「お菓子作り」が趣味の人が、パティシエになった場合でも同じことが言えます。
「読書」が好きな人が本を書くことを仕事にすると、仕事内容は本を「読む」ことではなく「書く」ことなので、自分が好きなこと・趣味とは違うと気づき、ギャップに落胆するのです。
仕事選びのポイント②:「好きなこと」と「業界」は同じではない
先ほどのゲーム会社に就職して、後悔している男性の例を使って説明しましょう。
この男性の場合、彼は元々ゲーム「業界」に魅力を感じていたわけではありません。「自分でゲームのアイデアを考え、それを形にする」ということに魅力を感じ、やりたいと考えていたのです。
彼の間違いは、「好きなこと」と「業界」は同じだと認識してしまったことです。言い換えれば、彼は「ゲームに関連する仕事ならなんでもよかった」というわけではなく、本当は「自分のアイデアを形にする仕事」がやりたかったのです。
むしろ彼の場合、「ゲーム」という部分にこだわらなくても、「アイデアを形にする」という仕事であれば、どんな業界でもやりたいことを見つけられるかもしれません。たとえば、インテリアデザイナーやファッションデザイナーといった仕事にも、やりがいを見出すことができるでしょう。
「なぜそれが好きなのか?」と疑問を持つ
好きなことは、そもそもなぜ好きだと思うのか?と自分に聞いてみることが大切です。そうして判明した好きな理由が、まさにあなたが仕事にして楽しいと思える、本質的な部分になります。表面的な物では無く、本質を見て職業選択できるようにしましょう。
好きなことを仕事にして後悔する理由は自分の本質を理解していないため
今回ご紹介したケースのように、「好きなことを仕事にして嫌いになった」という人の中には、「本当にやりたいことができないまま、イメージと現実のギャップに苦しんだ」という人が多くいます。
人間は本来、好きなことなら何時間熱中していても、あまり苦にならないものです。大切なのは、自分の好きなものをジャンルや業界として捉えるのではなく、「どんなことをやりたいのか」という視点で掘り下げること。過去の経験や日常生活を思い返して、「自分が喜びを感じるのはどんなときか。どんなことなら面白いと感じるか」をよく考えてみてください。必ずあなたにも、「やりたい」と思えることが見つかるはずです。
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