自動車メーカーを志望する人が知っておくべき業界用語
品質管理や生産段階でよく使う自動車メーカーの業界用語とは
自動車メーカーの業務で最も大切な、要となるのが生産段階です。この段階に関わる業界用語は数え切れないほどあります。ここでは「試作イベント」「ティア1」「ランニング・チェンジ」のよく使用される3つの用語に絞って紹介します。
自動車メーカーが量産前の開発段階で行う「試作イベント」
自動車メーカーが量産する前の開発段階において行う試作のイベントです。イベントの数や呼び方は自動車メーカーによって異なりますが、次のように複数の段階に分けて行われます。
Stage 1:設計の試作
Stage 2:量産前提での試作、性能確認、本型品の手配
Stage 3:量産確認(品質確認、最終チェック)
Stage 4:量産開始
一次サプライヤーを示す「ティアワン/ティア1」
正しくはTier 1と書きますが、一次請けのことでメーカーに直接部品を納入する企業のことを言います。ちなみに、ティア1にその部品を構成する部品を供給する企業はティア2です。
これは自動車メーカーに限らず、サプライチェーンが長いものなど巨大な産業で使用されています。
既存品が生産されている中で同型番のまま流通するのが「ランチェン」
ランチェンとは、ランニング・チェンジの略。耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか?部品の設計変更や仕様変更を行う際に、量産部品として既存品が生産されている中で同型番のまま流通することを指します。
理由としては部品のコストダウンの反映や調達先の変更などが挙げられます。
その他の業界用語一覧↓
■ピーク数:納入している部品の流動数のうちの月間最大数
■現調化:「現地調達化」の略。海外に展開している生産拠点が生産に使う部品や材料を現地にて調達すること
■車両開発大日程:新しい自動車の量産開始までの2年間のスケジュールを定めた日程表のこと
■省人化:本来一人が工程に必須だった部分を工程改善、作業改善、設備改善などによって一人省くこと
■CBU:Complete Build Upの略。完成車という意味。
■打ち切り:量産品として流れていたものが終了すること
最近の自動車メーカーのトレンドキーワードは「燃費」
現在、各自動車メーカーの開発の要となっているは何といっても「燃費」です。その改良ニーズは依然として衰えておらず、自動車業界のイノベーションにおいて最も重要なキーワードとなっています。
現在の燃料改善のコアな技術が電動化です。エンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッド車や電気自動車がその代表と言えます。
エンジンを動力に用いる内燃機関車、いわゆるディーゼル機関車についても燃費の開発は進んでおり、その中心的な技術にエンジン・ダウンサイジング(エンジンの小排気化)があります。
プラグイン・ハイブリッド車(plug-iin hybrid electric vehicle, PHEV)で燃費の大幅改善が可能に
プラグイン・ハイブリッド車は直接コンセントから充電できるハイブリッド車ですが、ハイブリッド車よりも大容量の電池を搭載しており、電気モーターのみでの走行距離を長くすることによって燃費の大幅な改善が可能となりました。
また、動力源を電気モーターのみとし、搭載するエンジンは発電にのみ利用される形態のものも存在し、レンジ・エクステンダー(range extender)と呼ばれています。
エンジン・ダウンサイジング(engine downsizing)はエンジンの小排気量化という意味
欧州にの自動車業界おいて最近の低燃費技術のメインとなっているのが、エンジン・ダウンサイジングです。内燃機関車を電動化せずに燃費を向上させる方法としては、エンジンの排気量を減らすか、軽量化することが代表的です。
エンジンの排気量の引き下げに伴う走行性能の低下を補うために用いるのがエンジン・ダウンサイジングの発想です。ダウンサイジング車の中には、ディーゼルエンジンと過給機を組み合わせることで、ハイブリッド車に引けを取らない燃費を実現する車種も販売されています。
自動車メーカーがよく使う業界用語を把握して志望する企業への理解度を深めよう!
自動車メーカーを志望する人が知っておくべき業界用語について簡単にまとめました。
世界でもトップクラスの日本の自動車メーカーに憧れ、志望する人は多くいるでしょう。しかし、自動車業界の専門用語はかなり多く、会社によっても異なるため不安に感じている人も多いのです。
基本的には仕事をしながら覚えていけば問題ありませんが、ここで挙げた業界用語は一般的なものなので、知っておいて損はないはずです。
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