年金アドバイザーの気になる合格率と勉強法【2級・3級編】
年金アドバイザー資格とは?
公的年金は全国民に関わる大切な問題です。しかし、たび重なる法改正やその都度生まれた経過措置により重層的構造になり、一般の国民にとっては複雑に思える仕組みになっています。
そのように複雑な公的年金について、顧客に助言や指導ができるくらいの確かな知識を身につけているという証になるのが「年金アドバイザー」の資格です。
年金アドバイザー資格は、金融機関等で年金相談業務に従事する方はもちろん、自己啓発の一環として、年金に関する知識を得たい方にもおすすめです。
資格取得が昇給の条件となっている職種も
年金アドバイザーの資格は、最上位級の2級から4級までありますが、独自調べによると一番間口が広いのは3級とされています。金融機関の窓口の相談員をはじめ、日本年金機構など年金相談員やコールセンターの職員、また社労士の合格者や受験生も腕試しにと出願します。
とくに金融機関の窓口の相談員は、年金アドバイザー3級の資格は昇格の条件になっていることが多く、必要に迫られて受ける受験生もいるそうです。ここでは、一番間口が広い年金アドバイザー資格の3級と2級に関して紹介していきます。
年金アドバイザー試験の難易度・合格率とは?
年金アドバイザー試験は、超初歩的な4級から始まり、続いて3級、そして2級が最上位級へと難易度が上がっていきます。ちなみに、年金アドバイザー試験に1級はありません。
それでは、今回は年金アドバイザーの3級と2級に的を絞って、試験難易度と合格率を紹介していきます。独自調べで、年金アドバイザー資格の3級と2級の難易度についてまとめましたので、下記を参考にしてみてください。
3級試験の難易度
年金の基本的な知識を、より幅広く、正確に理解していることが求められます。顧客の一般的な年金相談に応じ、指導や助言を行える程度のレベルとされています。年金制度の仕組みや支給要件、簡単な計算問題、受給手続きなどに関する知識も必要となります。
金融機関の窓口の相談員や社労士受験生などの多くはこの年金アドバイザー資格3級から挑戦することが多いようです。社労士試験の年金法と出題範囲がほぼ同じなので、社労士受験生が予習・復習のために受験するのにも適しています。試験は五答択一のマークシート形式で、全体の6割の正答率で合格となります。
年金に関する知識もまったくなく、これから初心者として勉強を始められる方には、かなり難しいと感じられることもありますので、そのような場合は年金アドバイザー資格4級の勉強から始めて年金の基礎をしっかりと固めた上で、3級にチャレンジされることをおすすめします。
2級試験の難易度
顧客からの年金相談に応じることはもちろん、リーダーとして内部の年金アドバイザーに対して教育や研修を行い、場合によっては講師を任されるレベルです。公的年金制度の仕組みや保険給付に関して幅広い年金知識を持つとともに、定年延長や顧客の意識変化など経済、社会情勢全般の実務的な知識も求められます。
年金アドバイザー2級試験は完全記述式で具体的な計算問題が出題されるので、何となく この答えで正解かなといったごまかしがききません。計算問題は年金相談の実務経験者や社労士有資格者であっても油断大敵です。全体の6割の正答率で合格となります。年金アドバイザー試験の最上位級ということもあり、やはり難しいと感じられる方が多いみたいです。
年金アドバイザー試験の合格率はそこまで低くない
銀行業務検定協会の発表をもとに2016年に行われた年金アドバイザー試験の受験者数、合格者数、合格率を見やすくまとめました。
●年金アドバイザー4級
受験者数:1,704名 合格者数:1,007名 合格率:59.10%
●年金アドバイザー3級
受験者数:10,476名 合格者数:3,252名 合格率:31.04%
●年金アドバイザー2級
受験者数:1,903名 合格者数:429名 合格率:22.54%
以上のような数値となります。数値を見てもお分かりになるように、4級は年金アドバイザーの基本的な知識を問われる試験となりますので、合格率もかなり高いです。続いて2級のデータを見てもらうと、受験者数が一気に増えることがわかります。受験者数が増える要因は、前述で説明したように金融機関の窓口の相談員や、必要に迫られて受ける受験生が増えているからだと思われます。
3級と2級の年金アドバイザー試験の合格率を見てもらえば、そこまで低い合格率ではないことがわかります。これから紹介する、年金アドバイザー3級と2級の勉強方法をしっかりとおさえ、しっかりと勉強することにより合格に近づくと思います。
年金アドバイザー試験3級の効果的な勉強法とは?
年金アドバイザー3級を取得するための、勉強対策はとにかく基本事項を徹底的に理解することに尽きます。独自調べによると、基本事項の理解さえできていれば、年金アドバイザー3級試験の問題50問中、前半の基本問題30問を解くだけで合格できるとされています。
ただし、2012年3月の試験では合格率が一気に半減し、年金アドバイザー試験の難化傾向の兆しを見せていますので3級とはいえ油断は大敵です。
問題をとくために基本事項の徹底理解に努めること
上記でも紹介しましたが、これから年金アドバイザー試験に挑戦する、また年金法を勉強するのが初めてという方はとにかく基本事項の徹底理解に努めてください。年金法は法の改定があったり複雑なので、短期間に効率よく基本事項を抑えるためには、通学講座や通信講座を受講するのも良いと思います。もちろん独学でも本人の頑張り次第で、年金アドバイザー試験3級に合格することは可能です。
過去問をとにかくやりこむ
年金法の基本知識が身についたら、次は過去問対策を行うことが年金アドバイザー3級を取得するための、効率的な勉強法です。年金アドバイザー3級試験はとにかく過去問からの出題が多いので、参考書→過去問→参考書…という順で繰り返して基本を固めてください。そして過去問をとにかくやりこんで、問題の出し方やひっかけ問題と言った年金アドバイザー3級試験に対する傾向と対策を知りましょう。
年金アドバイザー試験2級の効果的な勉強法とは?
年金アドバイザー2級を取得するための勉強法で大切となるのは、年金法の基本知識と慣れです。年金アドバイザー2級試験で出題される具体的な計算問題は、頭で法律を理解していれば解けるような問題ではありません。過去問などの問題演習を通して、計算問題に慣れることが必要です。それでは、具体的に年金アドバイザー2級試験に合格するための勉強法を紹介します。
解く順番に工夫をしながら勉強する
「老齢基礎年金」や「障害基礎年金」、「遺族厚生年金」など テーマごとに10問が並んでいます。最初のうちは「老齢基礎年金」→「障害基礎年金」という風に1つのテーマをしっかりとやりこみ、問題の解き方をしっかりと覚えてから次に進んだほうが理解が深まります。
過去問を間をあけないで一気にやりこむ
年金アドバイザー2級試験に合格するために大切な勉強法は、3級のときと同じく、過去問対策が非常に重要です。あまり間をあけて勉強をすると、細かい論点などを忘れてしまうので、問題演習など勉強をする際は、できるだけ直前期に間をおかずに一気にやったほうが効果的でしょう。
またケアレスミスで連鎖的に失点してしまう恐れのある出題形式ですので、普段から問題を解く際には注意してください。
年金アドバイザーの難易度と合格率は最上位級でも27.48%と難関試験ではない
年金アドバイザー資格の難易度や合格率、また年金アドバイザー3級と2級試験に合格するための、効率的な勉強方法を紹介してきましたが、いかがでしたか?
年金アドバイザー資格は最上位とされる2級でも、27.48%と高めですので、しっかりと基礎をかため、過去問題集で問題出題の傾向と対策をおさえることで、年金アドバイザー資格を取得することは可能です。
これから年金アドバイザーの3級や2級資格の取得を考えられる方はぜひ、今回紹介した勉強法を参考にして勉強に励んでください。
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