来客時における飲み物の出し方に関するビジネスマナー
自分で出す場合
自分が飲み物を入れて出す場合、入室時から退席時までの動作が、お客様はもちろん上司からも見られていることは言うまでもありません。来客時における飲み物を出すときのビジネスマナーを押さえておくと、好感度もあがるでしょう。
まず、入室時には、ノックをして「失礼いたします。」と声をかけ、お辞儀をしてから商談室や応接に入ります。飲み物をお盆に載せていた状態で入室するのですから、軽く頭を下げるだけでよく、深いお辞儀は必要ありません。
部屋の中に、お盆をおくスペースや台座があれば、一度そこに置き、一人ひとり飲み物を出します。テーブルの上にお盆ごと飲み物を置いてはいけません。まずは、お客様から飲み物を出します。このとき、お客様の右側から右斜め前に出すようにします。もともと右利きの人が多いので、取りやすいようにという配慮からこのようになっています。また、右手で飲み物を持ち、左手は添えるようにします。左手で出すと、お客様に背を向ける格好になってしまいます。これは、ビジネスマナーとして良くありませんので注意しましょう。どうしても左側から出さないといけない場合は、「左手から失礼いたします。」と断ってから出すようにします。左側から出すと、当然相手の右斜め前には出せませんので、このような一言が必要です。
お盆を置くスペースがない場合は、お盆を持ったまま飲み物を出していきます。飲み物を片手で扱わざるを得なくなり、丁重さがなくなるので、必ず「片手で失礼いたします。」と一言添えるようにしましょう。
応接室の場合は、テーブルと椅子が低いので、高い位置から出さないよう、膝を曲げて出すようにします。
お客様が複数いる場合は、真ん中に座っている人が一番偉い人になりますので、その人から出します。
そのあとは、本来はお客様から見て右側が次席になりますが、最近はそこまで気に掛けて座っている人も減ってきていますので、見た目で判断するしかなさそうです。
退出時は、すでに商談が始まっている場合もあるので、それを邪魔することのないよう、深くお辞儀をしたうえで退出します。
喫茶に頼む場合
会社内に喫茶室が併設されていて、そこから出してもらうというところもあると思います。来客時に、自分が商談や打合せに同席している場合は、一番役職の低い人が頼むことになります。種類がたくさんあったとしても、注文から提供されるまでに時間がかかっては困りますので、全員同じものを頼むと良いでしょう。
そのとき、よく注文するのがコーヒーですが、中にはコーヒーを飲めない人もいますので、頼むときには、「コーヒーでよろしいでしょうか。」と確認するようにしましょう。どうしても飲めない人は、そのときに、紅茶など別の飲み物をリクエストしますので対応するようにします。夏場は、ホット・アイスの選択肢はあっても良いでしょう。喫茶店での休憩ではないので、飲み物のオーダーは手早く済ませ、商談に早く入れるようにするのが、ビジネスマナーです。
ただし、懇意にしているお客様であれば、複数の飲み物から選んでいただくように配慮して良いでしょう。そのときは、まわりの人も自分の飲みたいものを頼みたいとなるので、個別にリクエストを聞いて注文します。メモを取るようにしておくと、注文時に混乱したり、忘れてしまったということがなくなるので活用するようにしましょう。
最近は、来客時の対応としてビジネスマナーを知っていて、きちんと飲み物を出せる人が少なくなってきたようです。そういうときだからこそ、逆にきちんとした対応ができると、この人はビジネスマナーをちゃんと知っていると、一目置いてもらえる可能性もあります。
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