介護職員に求められる接遇マナーのポイント
介護職員には接遇マナーが必要
一般的な『接遇』というと、業務上でお客様をもてなすサービスのことで、態度や言葉遣いを含めたトータルでの待遇です。しかしながら、介護職員の接遇というと、少し意味が変わってくる場合もあります。介護の現場では言葉の乱れやモラルなどが問題視されているケースが多いです。介護職員にとっての『正しい接遇マナー』について考えていきます。
まずは言葉遣いに注意する
言葉の外にあるものを察する必要があり、難しい局面が多いのが介護職員の接遇マナーです。第一に求められるのは、明るい挨拶と、丁寧な言葉遣いです。赤ちゃん言葉や同年代にするかのようないわゆる“タメ語”をつかう介護職員もいますが、これは場合によっては適切な接遇ではありません。親しみやすさのために、わざとそのような言葉を使うケースも見られますが、基本的には利用者と職員という明確な線引きは、必要です。
介護職員がタメ口でいいのは強い信頼感がある場合
介護職員のなかには、すばらしい介護技術と愛想でもって、利用者から非常に愛されている職員がいます。そのような人がタメ語を使う場面や、親しみを込めて雑な扱いをすることに対し、利用者が嬉しく思う場合があります。このような場合においては、『介護の基礎』と『強い信頼感』の2つによって成り立っている状態です。したがって、そのどちらかが欠けている状態でタメ語を使うのは、相手の尊厳を奪うことに他なりません。
距離を縮めるのは基礎を固めてから
まずは基礎を固めてから、少しずつ距離を縮めるのは良いことです。しかしながら、いきなりのタメ語、いきなりの雑で無礼な扱いでは利用者側も距離をとるだけです。距離を縮めるのは少しずつ様子を確認しながら、それができない場合に独りよがりな接遇となってしまいます。また、言葉遣いのほかにも、早口で雑に伝えるのではなく、相手の目を見て、伝わったかどうかを確認しながらはっきりと聞き取りやすい言葉で話す、そういった配慮で信頼感を育てていきましょう。
介護職員の接遇マナーには思いやりが大事
介護の現場では、洋服をそこにかけて欲しい、ボタンをとめるのをやって欲しい、といった、本人自分でできることを手伝うように求められる場合があります。ここで「自分でできますよね?」と答えるのは簡単ですが、相手の気持ちを思いやるのが接遇マナーの第一歩です。いつもは自分でできる動作を誰かに頼むのは、「甘えの心」や「関心をもってほしい心」が働いているからです。その心が満たされないと、相手は不満に思い、嫌な気持ちになります。
一緒にやってみるのも大事な接遇
このような場合には、相手の求めを否定せず、かといってその求めを全て受け入れるのでもなく、「それでは一緒にやってみましょうか」と手助けをして、自分でもやってもらうのが大切です。それによって『介護職員と一緒に達成した』という満足感が得られます。自分で取り組む意欲を育てていくことで、達成感が得られ、また関心をもってもらった感じ、心が満たされます。介護職員の接遇には、思いやりが大事というのは、こういった背景もあるのです。
介護職員には強い信頼感と介護の基礎が伴った思いやりのある接遇が求められる
本記事では、介護職員の接遇マナーについてまとめましたが、いかがでしたか。無暗に赤ちゃん言葉やタメ語を使うよりは、基礎の介護技術を高め、信頼感を育てた上で利用者との距離を縮めていくのが大切です。また、手伝う必要のない助けを求められたら、それは「関心をもって欲しいんだ」ととらえて、一緒に協力して自分でやってもらい、達成感と満足感を育てていきましょう。
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