倫理観の意味から考える個人による判断能力の必要性

2017年1月16日2020年3月31日倫理観, 判断力

倫理観とは善悪の判断基準となる考えを意味する

倫理観の意味について、ご説明します。倫理とは、仲間の間でのルール、守るべき秩序です。社会の中で、善悪の判断ができるようにと、義務教育で習ってきたと思います。その善悪の判断基準となる考えを意味するのが、「倫理観」なのです。そして、道徳と倫理観の意味の違いは、その考え方の及ぶ範囲の広さです。道徳に比べ、倫理観の意味では、より広域な社会全体の考え方としてあるようです。

倫理観によって判断がしにくいケースがある

私利私欲の為に、自分の欲求を満たす為に、犯罪に手を染め、時には人を殺害してしまうニュースがありますよね。とても悲しいことです。犯罪は、全ての人が「してはいけない行為」だと判断しているでしょう。そういった犯罪などは、善悪の判断がしやすいです。では、もっと線引きが曖昧なものを見ていきましょう。例えば、医療現場での例です。患者が、家族以外に病名を表明しないでほしいと申し出てきました。ですが、遠い親戚が遠方からお見舞いにきて、病名を聞かれたと言う場合は、どうすればいいでしょうか。そういった場面で、倫理観の意味、つまり、判断基準となる考えが問われます。

倫理観から見た問題を扱う際の原因は大体が人に由来する

倫理観による判断が問われる、グレーゾーンの問題があります。これは、人によって何を根拠に正しいと判断できるか、その判断材料がいろいろな面で多すぎる場合です。先ほどの具体例もそうです。悩む部分として、誰の何を尊重して、その判断になるのかが、倫理観として見られるのです。人が関わる問題には必ず意味や原因があります。倫理観から見た問題を扱う際の原因は、大体が人に由来するものでしょう。

倫理観の意味が発揮しにくい際には法律が役に立つ

先ほども述べたように、犯罪問題など残忍なものであるほど、倫理観による判断がはっきりしてきて、周りの社会にいる人と意見が一致しやすいでしょう。また、グレーゾーンの問題を扱う際には、それなりに知識が必要ですが、法律が役に立ちます。法律には、倫理観の意味などが詳しく述べられている項目もあるので、便利です。また、人の命が関わるような問題となれば、我々一般人では判断しかねます。自分の中の倫理観を大切にしていきたいですよね。

自分にとって倫理観が何を意味するのか理解することが大切

いくら学校で教えてもらい、咀嚼し、消化しても、理解しなければ意味がないでしょう。学校によっては、倫理観を意識した授業があります。しかし、倫理観の授業をする意味として、全ての生徒に対して効果のあるものでなければなりません。そしてそれは、とても難しい問題です。皆が平等な倫理観を持っていたら、社会は一体どうなるのでしょうか。

倫理観が平等になると更に物事への判断が難しくなる

先ほど述べたように、倫理観が平等に人の心にあるもので、判断基準も皆同じとなった場合、まず犯罪は起きないでしょう。しかし、犯罪が起きなければ、警察も必要なくなります。そうなった時に、警察官としての職を取り上げたのは学校が悪いのか、そのような倫理観を広めた政府が悪いのか、倫理観による区別や判断が難しくなります。倫理観の意味として大切なのは、誰の立場で考え、自分自身でどういった結論を出すかです。人によって違う倫理観があるからこそ、世の中のあらゆる物事に対して、判断がされているのです。

善悪の判断基準となる考えを意味する倫理観は人に由来するものが多く世の中を回すために必要

倫理観の意味を深く考えれば考えるほど、白黒はっきりつけられないものは多いと気がつきます。倫理観に関してはとても難しいですが、奥の深いものでしょう。理解していただきたいのは、なにを持って善悪の判断をするかです。「なんとなくそう思うから」ではなく、なにを根拠にそう思うかが、ポイントになってくるでしょう。そうして出てくる判断が、世の中を回すためには必要なのです。