退職した後に家族の健康保険の扶養に入るメリット
退職した後は家族の健康保険の扶養に入る方が金銭的に得をする
退職をすると、その会社を通して加入していた健康保険から抜けますよね。したがって、健康保険の切り替え手続きが必要になります。選択肢としては、国民健康保険に入る、健康保険を任意継続する、扶養に入る、の3つがあります。
前者の2つと比べて、退職後は家族の扶養に入ると金銭的に得をするのがメリットです。
健康保険料は扶養する人数が増えても変わらない
退職した後、扶養に入らない場合はほぼ今まで通りの保険料の支払いになるのに対し、健康保険の扶養に入る場合は保険料が実質無料になります。というのも、扶養する人数が増えようと、被保険者の保険料が上がるわけではないからです。
例えば、夫と妻が兼業しており、夫が退職して妻の扶養に入ったとしましょう。その場合、今までは夫と妻がそれぞれ保険料を払っていたのに対し、扶養に入った後は妻が妻の分の保険料だけを払います。
健康保険においては被保険者と被扶養者の関係性に制限がある
退職後、家族の健康保険の扶養に入るためには条件があります。その条件とは、「被保険者が自分の配偶者、子、兄、姉、父、母、である」、「被保険者が自分の生計を支えている」という2点です。
この2点をどちらも満たしていた場合、退職した後に家族の扶養に入ることができるのです。
同居かどうかは関係ないが条件を満たすことを証明する証拠が必要
今まで家族と離れて単身で働いてきて退職した場合も、遠方に住む家族の扶養に入ることはできます。ただ、生計を支えている、という条件がありますから、遠方に住む家族の健康保険の扶養に入るなら、仕送りを受けるなど、条件を満たすための証拠の用意が必要になります。
家族の健康保険の扶養に入るには年収130万円未満でなければならない
健康保険の扶養に入るためには、年収が130万円未満でなければいけません。
また、同居している場合は被保険者の年収より被扶養者の収入が低い必要があり、同居していない場合は被保険者からの仕送りよりも被扶養者の収入が低い必要があります。
再就職まで時間がかかるなら扶養に入るべき
退職した後にすぐに再就職するのなら、年収130万円未満という条件を満たせませんから、扶養に入ろうとする意味はありません。
また、退職後に雇用保険の失業給付を受けるのなら、失業給付も収入とみなされるため、扶養に入るのは難しくなります。扶養に入るという選択肢は、退職して再就職するまでに、しばらく時間がかかる人向けと言えるでしょう。
退職後に家族の健康保険の扶養に入るメリットは金銭的負担が軽くなること
退職して社会保険を脱退した後に、健康保険に加入している家族の扶養に入れば、保険料を節約できます。健康保険の任意継続や、国民健康保険に加入する前に、扶養に入るという選択肢も検討すべきです。
ただ、扶養に入るためには、家族との関係性や、扶養を受ける側の収入に制限があります。現実的には扶養に入る意味があるのは、退職した後に再就職先が見つからずに困っている人や、再就職までしばらく休養を取りたい人などになります。
健康保険以外でも、税金にも扶養はありますし、会社独自の扶養手当がある場合もあります。健康保険に加入している家族がいるならまず相談してみましょう。
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