契約社員が昇給の交渉をする際の注意点と成功させるコツ
契約社員が昇給の交渉をする際の注意点と成功させるコツとは?
契約社員は正社員に比べると立場も弱く、給与などの待遇も決して優位にあるとは言えません。契約打ち切りを恐れて低い給与のまま我慢している契約社員も多いのですが、賃上げを求める昇給交渉は契約社員であっても可能です。労働に対する正当な報酬を要求するためにも、交渉のコツを覚えて昇給を勝ち取りましょう。
契約社員の昇給交渉のコツ①:タイミング
賃金改定のタイミングで交渉する
契約社員として働いている人が昇給交渉を行う場合、交渉を行うべきタイミングは正社員の給与が賃上げされるのと同じ年度末です。
会社側にとって社員の昇給というのは大きな問題であり、契約社員を昇給させるのもできれば一緒に事務処理してしまいたいというのが本音です。正社員とまったく別のタイミングで昇給を求めても時期的な問題を理由に拒否されてしまう可能性もありますから、なるべくタイミングを合わせて交渉し、
「じゃあ◯◯さんの給与も一緒に検討しようか……」
と思わせるのが昇給を勝ち取るコツです。
契約更新の時に交渉する
契約社員であるということは、継続して働くのなら契約更新が必要になります。この契約更新の時も昇給を求めるのによいタイミングです。ただし中途採用で契約社員として入社した場合は、契約更新の時期が8月など中途半端になってしまう可能性があります。この場合は前述の『年度末』を待たず、契約更新と昇給をセットにして交渉してもよいでしょう。
注意点 交渉の席を必ず設ける
注意点として、交渉の席を必ず設けることを忘れないでください。契約延長が当たり前のような態度で一方的に契約書を渡してくる会社もありますが、言いなりで契約書にサインをしてはいけません。必ず会社側と、できれば仕事をする居室とは別の部屋で、じっくり交渉することが重要です。上長が忙しい事もあると思いますので、事前に、「契約のことで相談があるのですが、お手すきの際にお時間をいただけませんか?」という風に丁寧に切り出し、交渉の場を自分で作りましょう。
注意点 派遣社員の場合は別
一般派遣の社員も、広い意味では契約で雇用されている社員ではありますが、直接雇用されている契約社員とは事情が違います。派遣社員を雇用しているのは、派遣元の会社です。つまり、派遣社員の給与を最終的に決めているのは派遣会社なのです。派遣社員の場合、【派遣先企業(いつも通う職場)が設定した派遣単価】から、【派遣会社の管理費・営業費等】が引かれて、【あなたの時給】が決まっています。そのため、派遣社員は昇給交渉をするならまず派遣会社から、そして派遣会社の方で昇給できないような元々の派遣単価設定であれば、派遣会社の営業を通して、派遣先企業へと交渉を進めていきましょう。日頃の評価が良く、派遣会社からも『ずっとうちから派遣させてもらいたい社員だ』と思われていれば、派遣会社が昇給してくれる可能性もありますし、元々の派遣単価が低いのであれば、後は専門的な技術を持っている派遣会社の営業が、派遣社員に変わって職場に交渉してくれます。直接派遣先企業に昇給を切り出すと、「この人は自分の雇用の仕組みを理解していない」と思われてしまうので、注意しましょう。
契約社員の昇給交渉のコツ②:実績をアピール
会社は役に立たない社員にはなるべく給料を払いたくないと考えているものです。昇給について交渉するのなら仕事での実績をアピールし、契約社員といえど会社に欠かせない存在であることを伝えしましょう。昇給させるに足るだけの実績を根拠として提示すれば、会社側も無下に要求を断れなくなるでしょう。必要な人材であることを自ら証明してみせるのが昇給交渉のコツです。
昇給させるに足るだけの目標と実績を根拠として用意する
契約社員に限ったことではありませんが、直属の上司や評価者と事前に話し合って、昇給・昇格の条件設定しておくと、さらに説得力が増します。
「どのような目標を、いつまでに達成することが昇給条件となるのか?」
について、なるべく具体的に決めておきましょう。事前の条件設定が無かったり、ズレがあったりすると、いくら自分が頑張って来たことをアピールしても、約束していないからと一蹴されてしまいます。また、目標を実行していくプロセスにおいても、上司の評価ポイントと自分の努力事項にズレがないかを随時確認していくことが大事です。あなたがいくら頑張ったと思っていても、上司が特に求めていない努力であれば、報われにくくなるのは当然です。
注意点 押しつけがましいアピールをすると逆効果
正社員と同様の仕事をしてきたのであれば、正社員並みの賃金を求めるのはごく自然なことです。会社にどれだけ貢献してきたのかをアピールし、同程度の実績なのに自分よりも高い給料をもらっている正社員を引き合いに出して交渉すれば、腰の重い会社側に昇給を認めさせることができるでしょう。 ただし、協調性や曖昧な表現を良しとする会社では、あまりにも押しつけがましいアピールをすると逆効果になってしまいます。話し合いの場ではしっかりと伝えても良いのですが、それ以外の時にもいちいち話題に出したり、昇給しないのであればと怠惰になったりするとむしろ契約更新を切られる危険性もあります。やりすぎないよう注意し、日頃の態度に落ち度がないようにして、弱みの無い状態で実績をアピールしてください。
契約社員の昇給交渉のコツ③:立場を利用
契約社員といえど、職場の重要な戦力であることは間違いありません。正社員より弱い立場である事も多いのですが、契約社員であるからこそ発揮できる強みもあります。契約社員独自のルールを利用するのが昇給交渉のコツです。
契約社員には、契約更新を拒否する権利があります。契約打ち切りというと会社に解雇されるイメージを持ちがちですが、契約社員の側から会社を捨てることもできるのです。
自分が有能なのであれば退職をほのめかすのも手
正社員よりも働いているのに会社側が昇給を渋るようなら、退職をほのめかすのも一つのテクニックです。この方法はそのまま契約が終了してしまう可能性もある危険な方法ですが、どうせやめないだろうと会社側が高をくくっているときには揺さぶりをかける事ができます。実際、「昇給を期待しておらず、もっと良い給与の仕事に転職しようと契約終了を希望したら、昇給してくれて転職する理由がなくなった」
というような昇給エピソードも現実にあります。
あくまでも自分が会社にとって必要な人材であることが前提ですが、貴重な戦力を何としてもつなぎとめておきたいと会社に思わせることに成功すれば、昇給を引き出すことができるでしょう。
契約外の仕事も積極的にこなしていると昇給に十分な交渉材料
契約社員の場合、契約時に仕事内容について記載された契約書を作成するのが一般的です。契約で求められた条件を満たしていれば、昇給に値する仕事をしてきたことを強く主張し、契約書にない仕事まで担当しているのなら、更にアピールに使っていきましょう。
契約社員の契約形態はいろいろありますが、契約書に記載されていない雑用やオフィスの掃除などをやらされるケースは少なくありません。契約外の業務に関しては本来断ることもできますが、会社側に配慮して契約外の仕事をこなしていたのだとすれば、昇給を求めるのに十分な交渉材料です。
契約社員の昇給交渉は日頃から有能な働きぶりをアピールしておくのがコツ
昇給交渉のポイントは、契約社員であることに引け目を感じないことです。多くの契約社員は契約打ち切りによる解雇を恐れるあまり会社に昇給の要求をうまく出せず、いつまでも低い賃金で働かざるを得ない状況です。
契約社員の待遇を守ってくれるのは自分自身だけです。時には退職も辞さない覚悟で交渉に臨むことが、会社側の譲歩を引き出し、昇給を勝ち取るコツになります。
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