「買う」を敬語で正しく使う方法【謙譲語・尊敬語・丁寧語】
一般的な敬語のルールとは?
動詞を敬語に変換する場合、一般的なルールがあります。多くの動詞がこのルールに従って敬語に変換できます。まず初めに敬語についての一般的なルールを紹介します。
敬語には規則的な表現をする動詞がある
敬語には、規則的な表現をする動詞がありますので紹介します。
■謙譲語
→お~する、お~申し上げる
■尊敬語
→お~になる、~される
■丁寧語
→~です、~でしょう
3種類の敬語の作り方
■謙譲語の作り方
名詞に「拙、小、粗」などをつけます。
動作を表す言葉に「お(ご)~する、お(ご)~申す」などで挟んで作ります。
■尊敬語の作り方
名詞に「お、ご、貴、尊」などをつけます。
尊敬を表す助動詞「れる、られる」をつけます。
■丁寧語の作り方
名詞に「お、ご」をつけます。
「~です、~でございます、~ます」調にします。
3種類の敬語の意味
■謙譲語
→自分を低く位置づけ、相手への敬意を表現する敬語です。
■尊敬語
→相手を高く位置づけ、相手への敬意を表す際に使います。
主に相手の動作、状態、所有物などに使われる表現です。
■丁寧語
→言葉を丁寧に使うことで、相手への敬意を表現する敬語です。
「買う」を敬語に変換してみよう
敬語には謙譲語、尊敬語、、丁寧語があると紹介してきました。次は、「買う」という動詞を謙譲語、尊敬語、丁寧語の3種類の敬語で実際に変換するとどうなるのでしょうか。紹介します。
「買う」の謙譲語・尊敬語・丁寧語
それでは実際に「買う」を3種類の敬語(謙譲語・尊敬語・丁寧語)に変換してみましょう!
■尊敬語
→お求めになる、お買い求めになる、お買い上げになる、お買いになる、ご利用になる
■謙譲語
→なし
■丁寧語
→買います
「買う」に謙譲語ってないの?
先ほど「買う」という動詞を3種類の敬語(謙譲語・尊敬語・丁寧語)に変換しました。しかし「買う」という動詞を謙譲語に変換するとなったらどのように変換すればいいのでしょうか?そして「買う」という動詞に謙譲語は存在するのでしょうか?
「買う」は基本的に謙譲語を使って表現しない
謙譲語の場合、「買う」行為はお客様がする動作で、お客様の方が常に立場が上と考えられます。よって店員が「買う」の謙譲語を使って表現したりしません。そして謙譲語は、特定数が決まっているものに使用するもので、大多数の動詞には謙譲語はありません。
「買う」を謙譲語に変換するのは考えにくい
「買う」という動詞がなぜ自分の行為にならないのか、考えてみましょう。
①敬うべき人が売り手である場合
売買においてはお客の方が上である理由から、「買う」を売り手に対して謙譲語に変換するというのは考えにくいです。
②買ってあげる場合
買った品を渡して「お納めください」といった場合であっても、「買う」を直接的に言うのは失礼にあたります。第三者に話す場合なら、買って差し上げたといった表現が良いでしょう。しかし、それでも「買う」ではなく「あげる」が謙譲語になっています。
「買う」を敬語(謙譲語・尊敬語・丁寧語)に変換するときは相手の立場も考える
「買う」という動詞の尊敬語、謙譲語、丁寧語の3つの敬語の形を学びました。「買う」の謙譲語がないのは、あくまで買い手が上の立場である為に、売り手に対して変換するというのは考えにくいといった理由の為でしたね。謙譲語、丁寧語、尊敬語それぞれ、使い分けが大切ですので気を付けて使っていきましょう。
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