ビジネスメールの基礎知識 – Bccの意味と使い方
To、BCC、CCの違いを把握しよう
メールを送信したことがある人なら、送信画面の宛先にTo、BCC、CCなどの種類があることに気が付いていると思います。BCCの説明をするには、他のToやCCについても触れなければなりません。まずはこの3種類の違いについて、基本をご説明します。
Toメールを送るべき相手
Toは、「その人に送っている」という意味のメールです。つまり、Toメールを受け取った場合、何らかのアクションを行う必要があります。
例えば、『社内プロジェクトで広告を創る』とします。自分が関わった広告でOKかどうか、上司の判断を仰がなければなりません。
「確認してほしい相手」がいるので、上司へはToメールで「確認の依頼」を送りましょう。
Toメールを受け取った上司は、確認の依頼に対して、何らかのアクションを行います。少なくとも、その広告でOKなのか、修正が必要なのかを教えてくれるはずです。
CCメールを送るべき相手
CCは、「確認はしておいてほしいが、アクションが必須ではない関係者」へのメールです。CCを受け取った場合でも、何かしなければいけないということはありません。
先ほどの『社内プロジェクトで広告を創る』例で上司への広告の確認メールを送る場合、上司の上司(所属する部署のトップ)や広告のデザイナーなど、プロジェクトに関わるほとんどの人が確認できるよう、CCに入れます。そうすることで、自分が確認をしなければならないわけでなない人々も、プロジェクトの進行具合を共有できます。
CCは、「スムーズに仕事をするため、送っておくべき人」へ送るものだと思っておきましょう。
BCCメールを送るべき相手
BCCはCCの一種ですが、「ほかの人に宛先が表示されない」という点が異なります。Toメール、CCメールに入れた人たちは、それぞれが誰がToでだれがCCか確認できます。ですがBCCメールの場合、送った側とBCCで送られた側しかわかりません。
BCCを送るときは、特別なケースが多いです。例えば、ToやCCの送り先に宛先を知られたくない人に送る場合や、非常に多くの人に「一斉送信」する際に使われます。
先ほどの『社内プロジェクトで広告を創る』場合を例にしましょう。複数の企業に、同時に進行状況を知らせる必要があったとします。A社の担当とB社の担当にメールを送らなければなければならないが、A社もB社も面識がない。そんなとき。CCやToで送ると、面識がないはずのA社の担当がB社の担当のメールアドレスを知ってしまいます。逆もしかり。これは、ビジネス上避けたほうがよいことです。情報漏えいなどのリスクにもつながるうえ、自社や自分の信用を傷つけかねません。
このような場合に、A社の担当とB社の担当をそれぞれBCCに入れるのです。「一斉送信のためBCCで失礼します」と、一言断りを入れておくとなおよいでしょう。
BCCとCCの使い分けではミスに注意
BCCとCCの使い方を間違えると、大きなミスになりかねません。そのような失敗例を含めてBCCとCCの使い分けを紹介します。
事例1:CCにライバル企業を入れてしまったため、大口の契約が取引停止に……
住宅関連を扱うA社での出来事です。A社は、製造メーカー大手B社と、同じく住宅関連の大手でありB社のライバル会社である製造メーカーC社と別々に取引をしていました。
あるビッグプロジェクトでA社は、B社には外壁素材を、C社には施工関連の部品を依頼していました。プロジェクトの全容は、A社の担当のみが把握しています。
C社はB社を明らかにライバル視していたため、必ず別々にメールを送り、それぞれが「同じプロジェクトにいる」ということを知らせないようにしていたのです。
ところがあるとき、C社の担当から怒りの電話が……。前日に全体へ「BCC」で送ったつもりのメールが、間違ってCCになっていたのです。C社は、同プロジェクトにB社の名前があることを知って大激怒。そのプロジェクト自体は完了できたものの、それまでC社単体と行っていた取引がなくなってしまったのです。
事例2:顧客の個人情報が流出し、損害賠償に発展
ある製造メーカーで起こったことです。その製造メーカーに、消費者から不良品の相談がありました。幸い優しそうな人で、足りなかった部品を送付すれば大丈夫、とのことでした。
しかし後日、その消費者の方へ賠償金を支払うことになってしまいます。
足りない部品は製造メーカーの工場にはもうなかったため、部品を作ったメーカーへ、追加で発注したときのことです。状況の進行度を教えるため、消費者へBCCでメールを送ったつもりでいました。ですが誤ってCCになっており、消費者のメール情報が、部品メーカーに伝わってしまったのです。その対応に、「無神経で、個人情報の管理概念がない」と消費者の方は大きく失望。メール情報が漏えいしてしまったことに対する賠償を要求したのです。大きな金額ではありませんでしたが、顧客と信用を失ってしまう結果になりました。
正しく使うことでビジネスマンとしてワンランク上になれる
いかがでしたか? To、BCC、CCの使い分けは、会社で使用するメールにおいては必須の知識となります。これらの意味を取り違えてしまうと、とんでもないミスが起こることも。BCCの使い方をしっかりマスターすることで、ワンランク上のビジネスマンになれるでしょう!
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