オーケストラ団員が貰える給料とその将来性
オーケストラ団員は公益財団法人に勤める団体職員
オーケストラのほとんどは公益財団法人で、オーケストラ団員はそこに勤める職員になります。ですので、オーケストラ団員の職業は団体職員になるのです。(オーケストラによっては公益財団法人ではありません)給料はどうやって支払われるのでしょうか。
オーディションの募集枠は1~2人であり簡単には合格できない
オーケストラ団員として入団するには、まず、各オーケストラが行うオーディションを受けます。オーディションに合格して団員になれますが、合格してすぐに正式団員にはなれません。3か月~1年の使用期間があります。その使用期間中に演奏会に参加させて能力を見分けたり、性格を知ったりして、それから正式団員として採用するか決めるそうです。しかし、オーディションが行われるのは、定年や退団した団員の補充をするときで、募集人数が1人や2人ですので、簡単には合格できません。合格した際の給料はどうなっているのでしょうか。
オーケストラ団員は終身雇用であり給料は年齢によって差がある
オーケストラは法人ですので、会社と同じように収入を得て、オーケストラ団員に給料を支払います。多くのオーケストラでは終身雇用制を採っていて、給料は月給などの固定給になっているそうです。年齢によって給料の差はありますが、乗り番(出番)が少ないハープやテューバのような楽器でも給料は変わりません。首席奏者であれば給料の5~10%の主席手当てがつきます。
一般的な年収は400~500万円
オーケストラ団員は難関のオーディショですが、合格したらどれくらいの給料で働いているのでしょうか。オーケストラによって差はありますが、たとえば、NHK交響楽団の平均年収は約1,000万円(平均年齢43.6歳)、新日本フィルハーモニー交響楽団が約520万円(同46.4歳)、山形交響楽団が約420万円(同45.6歳)です。(NHK交響楽団、新日本フィルハーモニーは2014年度、山形交響楽団は2013年度データ)オーケストラによって給料は大きく変わりますが、400~500万円台が一般的のようです。
給料だけでは足りないので副業に頼るオーケストラ団員も多い
オーケストラ団員の主な仕事は演奏会になります。オーケストラが定期的に特定のホールで開催する定期演奏会と、定期演奏会以外に開催する特別演奏会など年間で約130回の演奏会を開催するそうです。演奏会とその準備が中心の生活ですが、もらえる給料だけでは生活できないオーケストラ団員が多いといいます。念願かなってオーケストラ団員になっても給料が少なく、個人レッスンやホテルなどのアルバイト演奏などの副業に頼っているのです。
終身雇用制から契約楽団制に変えたオーケストラもある
オーケストラは演奏会の収入以外に、企業のスポンサー料や地方自治体からの補助金で活動を行っています。しかし、不況によって企業からのスポンサー料が減ったり、地方自治体の補助金が削減・カットされたりして経営状況が悪くなっているそうです。そのため、オーケストラ団員の給料やボーナス、退職金を削減したオーケストラもあります。また、終身雇用制から契約楽団制に変えたオーケストラもありますので、オーケストラ団員の生活が不安定になっています。
オーケストラ団員の給料は少ないのが現状であり近年は終身雇用制から契約楽団制に変わりつつある
オーケストラ団員は正式団員になるのがとても大変で、なったとしても給料が少なく副業をする必要があるかもしれません。そういった意味では生活は不安定です。でも、子どもに仕事を紹介しているホームページにこう書かれていました、『生活は不安定。でも音楽を愛していれば満足度は高い』(「学研キッズネット 職業調べナビゲーション 未来の仕事を探せ!」より)。オーケストラ団員はたとえ給料が少なくても、音楽を愛している人がなる職業です。
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