気付・御中・様方という宛名を使う各ケースについて
気付の使い方は「その組織や団体に所属していないけれどそこにいる人」に使う
気付は連絡先の宛先の一つですが、「その組織や団体に所属していないけれど、そこにいる人」に使います。具体的には、ホテルに泊まっている場合、会社に常駐している別の会社の人に宛てる場合、結婚式の祝電を送る場合などに使われます。ホテルに泊まっている場合は、「△△ホテル フロント気付 ○○(宿泊者名)行(様)」となります。イメージ的に一番わかりやすいのはホテルでしょうか。その施設の利用者宛で送る場合に、その施設の人に「施設利用者宛です」と伝えるのが気付という宛名です。
気付と書かなくても誤配送されることはあまりない
ホテルの宿泊者に郵便物を送る場合に「気付」と宛名書きをするのが一番良いですが、正しく使えなくても部屋番号や、宿泊者などの追記があれば誤配送されることは、ほぼないでしょう。追記がなくても、従業員以外の郵便が届けばホテルは宿泊者を調べますので、時間がかかりながらも届く可能性は確実ではありませんが高いと言えます。しかし、ビジネスマナーとして正しく宛名がつかえるよう覚えておくほうがいいでしょう。
気付と御中の基本的な違いは「宛先」あるいは「団体」が確定しているか
気になるのは気付と御中の違いでしょうか。気付はその施設、団体の所属ではないけれど、施設、団体を利用している人が宛先の場合で、御中は施設、団体に所属している誰かが宛先の場合です。ホテルで言えばそのホテルで働いている人達が宛先です。また御中は、誰宛かはっきりしないが、その施設や団体、部署の人に届くようにするものです。イメージしやすいもので言えば、転職をする際に履歴書を企業に送りますが、その際の宛名に書く「人事部御中」がこれに当たります。
気付と御中を併せて使うケースは宛先が法人になるケースが多い
それぞれの意味を理解していると判断しやすいのですが、気付と御中を併せて使う場合の参考をご紹介します。宛先は法人になることが多いです。例えばA社の中にもう一つ関連会社とか間借りしているB社がある場合「A株式会社気付B社御中」となります。何かの組合や共済会が会社内に包括されているときも同様の宛名の書き方を使います。
様方は個人宅等に身を寄せている人が宛先の場合に用いる
「様方」という宛名もあります。様方は個人宅等に身を寄せている人が宛先の場合に使われます。例えば○○様方△△様と宛名書きをします。気付は個人宅には使いませんので、様方とはその点が違います。宛先のポストなどに○○さんと△△さんが両方とも掲示されていたら様方と書かなくても届きますが、ない場合は、あて先不明で発送元に戻ってしまうことがあります。
気付と様方の間違いに注意しよう
「通して」という意味あいを持つ「様方」と「気付」は間違えた使い方をしやすいものです。シンプルに分けるなら気付は団体や施設に使います。分かりにくいのは、以下のケースです。A社のBさんを経由しなければCさんに届かない場合は「A社Bさん気付Cさん」という宛名になります。これは、個人名に気付が付いていますが、法人(A社)に届くのが前提なのでこの書き方になります。様方はあくまでも個人宅に届くことが前提の場合に使います。
気付・御中・様方は宛名書きをするときの必須知識なので使い分けられるようにしよう
気付・御中・様方という宛名を使う各ケースについて、ご紹介いたしました。
最近はメールやSNSでのコミュニケーションが多く、個人と直接コミュニケーションが取れるようになっていることから、気付などが使われる郵送物などの宛名を書く機会は減っています。ですが、宅急便を始め宛名をかくことが全くなくなることはなく、ビジネスにおいて問われるマナーの一つであることは変わりありません。使うときになって「気付って何?」「御中って何?」と思ったり、慌てて間違えたりすると信用を無くします。予め学んでおいてもいい知識の一つです。
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