履歴書に書くパートの志望動機の書き方と例文
そもそも「パート」とは?
パートは略称であり、正式には「パートタイマー」と言います。特に30代~40代の主婦でパートとして働いている人が多いでしょう。
パートの定義は明確に定まっていません。企業によって定義はことなります。一般的には正社員に比べて労働時間が短く、賃金が安いのが特徴です。パートは労働基準法が適用されますが、すべてのパート従業員に適用されているとは言い切れないのが現状です。福利厚生の対象にならないケースもあり、問題視されています。
1週間の所定労働時間が通常よりも短い労働者を指す
正社員の所定労働時間よりも労働時間が短いのが本来のパートですが、最近では正社員と同様、週に40時間働くパートも存在しています。労働時間ではなく、業務内容や賃金、待遇などを正社員と区別するため、パートと正社員に分けている企業も少なくありません。
パートとして入社したとしても、同じ職場の正社員と労働時間が同じと定められていれば、パートタイム労働法の定める「短時間労働者」には当てはまりません。反対に、パートと呼ばれていなくても、正社員と業務内容や待遇に差がなく、労働時間が短く定められている場合は「短時間労働者」に該当します。
税金では年収103万円以内・社会保険では年収130万円以下なら扶養に入れる
パートとして働こうと思った時に考えるべきなのは、扶養の範囲内で働くかどうかです。
税金面における扶養の範囲内というのは、配偶者控除を受けられる。つまり、配偶者の年収が103万円以下ということになります。103万円を超えると、配偶者控除は受けられません。
社会保険面(年金や健康保険)における扶養の範囲内とは、配偶者が加入する健康保険の被扶養者になれるという意味です。年収が130万円以下なら被扶養者に入れます。
年金の場合は、年収が130万円以下だと国民年金の保険料を納める必要がありません。
パートの志望動機に絶対に書くべきこと
パートの志望動機は、就活や転職の志望動機とは違い、絶対に書くべきことが2点あります。それは「扶養の範囲内で働くかどうか」と「時間に融通か利くか利かないか」です。
パートとして働く場合、優先しなければならない条件がこの2点です。そのため、応募する際にはまず求人内容をよく読み、希望に合った条件で働けるかどうかを確認してください。
採用する側のニーズと自分の希望が一致すると明確に志望動機に書くことで、採用担当者から「辞めにくい」「継続性がある」と判断され、採用されやすくなります。
書くべきこと①:扶養の範囲内で働くかどうか
まずパートの志望動機に書くべきなのは、扶養の範囲内で働くかどうかです。
扶養の範囲内で働くかどうかで入れるシフト、ひと月の労働時間が大きく変わります。扶養の範囲内だとひと月に働ける時間が限られてしまうので、「採用されにくいのでは?」と考える人もいるでしょう。
パートにどれだけ働いてほしいかは会社によります。扶養の範囲内で働きたい人を歓迎する求人も少なくありません。そのため、扶養の範囲内で働きたいと伝えて採用されにくくなるとは限らないので安心してください。企業側としては、扶養の範囲内で働く人は給料の低さを理由に辞める可能性が極めて低い、という利点もあります。
一方、扶養の範囲を超えてガッツリ働きたい場合は、その旨を伝えないとシフトをあまり入れてもらえず、思ったように稼げないため辞めてしまう可能性があります。
自分がどれだけ働きたいのかは、はっきり志望動機で伝えましょう。
書くべきこと②:時間に融通が利くか利かないか
時間に融通が利くかどうかは、採用する側がもっとも気にしている点です。時間に融通は利くか、それとも子育てや家庭の事情であまり融通が利かないのか、雇う側は知っておく必要があります。採用されるために「いつでも働けます!」と無理をして書くのはNGです。働き始めてから実は融通が利かないと発覚した場合、自分自身も困りますし、勤務先にも迷惑をかけてしまいます。 企業が時間の融通が利くかどうかを知りたいのは、単に採用を決定するためだけではなく、勤務する上でその程度考慮が必要かを確認しておくためです。双方のためにも、子供の送迎があるから融通はあまり利かないのか、土日祝日は働けるのか、それとも子育てはひと段落したからいつでも働けるのかなど、はっきりと書きましょう。家庭の事情により急に休む可能性があれば、その旨も確認しておくべきです。
履歴書に書くパートの志望動機の書き方
「扶養の範囲内で働くかどうか」
「時間に融通が利くかどうか」
この志望動機に書くべき2点を踏まえた上で、具体的な書き方を説明します。
「好きだから働きたい」だけでは弱い
志望動機として「○○○が好きなので貴社で働きたい」と履歴書に書く人は多いですが、「好きだから働きたい」というだけでは志望動機としては弱く、採用は難しいでしょう。ただし「好きだから」という理由が悪いわけではありません。その「好きなもの」のためにしたことや努力した経験をプラスして、意欲を裏付けましょう。
例えば、本が好きな人が書店のパートに応募するとします。志望動機では「本が好きなので貴社を志望します」と書くのではなく、「本が好きで学生時代に司書の資格を取得しました。書店でのアルバイト経験もあります」というように書いてみてください。
これまでに担当した仕事内容を具体的に書くと好印象
勤務経験のある業界や業種のパートに応募する場合、履歴書に書く志望動機は「勤務経験があります」だけでなく、担当した仕事内容を具体的に記載すると好印象を与える志望動機になります。
例えば、「前職は経理事務をしていました。主に○○と××、■■の業務を任されていました」というように書けるといいでしょう。
未経験職種の場合は仕事内容を把握した上でどう働くかを書く
未経験の業界や職種のパートに応募する場合、履歴書の志望動機には、応募先の仕事内容を把握した上で、自分ならどう働くかを具体的に書きましょう。パートの場合、未経験であっても会社側のニーズと応募者の希望が一致すれば採用される可能性が高いですが、より採用に確実に近づくには、具体的にどう働くかをアピールすべきです。 例えば、「話題の本はすべてチェックしています。お客様からの問い合わせに、迅速に対応できると考えています」など、自分はどのような働き方ができるかはっきりと書きましょう。
履歴書に書くパートの志望動機例文
履歴書に書くパートの志望動機を具体的に説明します。就活や転職の志望動機ではないので、長々と書く必要はありません。無理に長く書こうとはせず、ポイントをおさえて簡潔にまとめてください。
志望動機の例文:フルタイムで働きたい・時間に融通が利く
■出産前は書店に勤務しており、その経験を活かして働けると考え、志望いたしました。退職前は洋書部門とコミックス部門を担当していました。子供は両親に預けられるため、フルタイムでの勤務を希望します。
■子育てが一段落し、時間に融通が利くようになったので、今まで働きたいと思っていた貴社を志望いたしました。土日祝日もフルタイム勤務可能です。学生時代に喫茶店でのアルバイト経験があり、今でもカフェ巡りが趣味です。コーヒー豆の知識には自信があります。
■自宅から近く、シフトや時給、仕事内容が自分の希望に合っていたため、志望いたしました。フルタイムでの勤務を志望します。前職での事務経験と×××の資格を活かして働きたいと思います。
■子供が中学に入学して子育てが一段落した反面、高校と大学の入学金や学費を貯めておきたいと考え、フルタイム勤務ができ、自宅からも近い貴社を志望しました。長時間勤務、休日出勤が可能です。
志望動機の例文:扶養の範囲内で働きたい
■子供の送迎ができ、扶養の範囲内で働けると聞いて応募しました。平日の午前9時~午後5時まではシフトに入れます。
■扶養の範囲内で前職の経験を活かせる仕事がしたいと考え、応募しました。シフトや仕事内容が自分の希望に合っており、長く無理なく働けると思いました。
■シフトや時給、仕事内容などの求人情報を拝見し、家庭と仕事の両立ができる職場だと考え、志望しました。扶養の範囲内であれば、土日祝日も働けます。
志望動機の例文:前職と同じ業界・業種
■調理師として5年間勤務していました。結婚を機に退職し、2年ほど夫の家業を手伝っていましたが、調理師として復職したいと考え、志望しました。厨房だけでなくフロアを担当した経験もあります。
■結婚前はデザイナーとしてアパレル業界で働いていました。結婚と出産を機に退職しましたが、またアパレル業界に携わりたいと考え、結婚前から愛用している貴社を志望しました。前職では常に服を選ぶ側を意識して仕事をしていました。服を選ぶお客様の気持ちを理解した上で、接客に取り組みたいと思います。子育てが一段落したため、土日祝日の出勤、長時間勤務は可能です。
志望動機の例文:未経験の職種
■衣料品を買う側ではなく、売る側として扱ってみたいと考え、志望いたしました。普段から貴社で販売する衣料品を愛用しており、手持ちの衣料品の半分以上は貴社の製品です。未経験でですが、持ち前の明るさを接客に活かしたいと考えています。子供の進学費用を貯めたいと考えており、フルタイム勤務を希望します。土日祝日の出勤も可能です。
■以前から書店に勤めたいと考えており、自宅から通いやすいために長く働けると考え、応募しました。本が好きで大学生の頃に司書の資格を習得しました。書店で勤務した経験はありませんが、前職の営業職で身につけたコミュニケーション能力を活かし、好感を持たれる接客をしていきたいと思います。
履歴書に書くべき経歴・スキルとは
パートの求人に応募する際、履歴書にはどのような事柄を書けば採用にされるのか悩みどころです。採用に近づくためには、志望動機だけでなく、経歴やスキルをいかに書くかが大切です。パートに応募するための履歴書に書くべき経歴、スキルとは?
正社員経験は必ず書こう
正社員として勤務した経験は必ず書きましょう。応募するパートとは業界や業種が異なるものだとしても、正社員の経験はプラス評価されます。勤務していた会社名や勤続年数は明確に、間違えないよう注意して書いてください。
アルバイト・パート経験も書くべき
アルバイトやパート経験なども履歴書に書くべきです。どのような経験が次の仕事に役立つか、採用担当者の目に留まるかわからないので、アピールできそうな部分はすべて履歴書に書いてください。
ボランティア・サークル活動を自己PRなどに盛り込むのも◎
ボランティアをしていたり、サークル活動をしているなら自己PRなどに盛り込んでください。上述したように、どの経験が仕事に活きるかわかりません。具体的な活動内容を簡潔に書き、個性のアピールに繋げたり、そこでの経験を仕事でどう活かすか書くのも効果的です。
パソコンスキルがあると好印象
パートに多い主婦層の中には、パソコンの扱いが苦手という人も多い傾向があります。そのため、基本的なパソコンスキルを身につけているのであれば、必ず履歴書に書いて能力をアピールしましょう。他の応募者との差別化になります。さらにそのパソコンスキルをどう仕事に活かせるのか、具体的に書くと好印象を与えます。
履歴書に書くパートの志望動機はどの程度働きたいかを明確にして意欲をアピール
パートに応募する際、履歴書に書く志望動機には、扶養の範囲内で働くのかどうか、時間に融通は利くかどうかなど、どの程度働きたいのか明確に書きましょう。採用側のニーズと自分の希望が一致しなかった場合は縁がなかったと思って諦めるべきです。無理をして働くと、家庭と仕事を両立できない可能性が非常に高くなります。
どの程度働きたいのかに加えて、仕事への意欲をアピールすると好印象を与えます。採用する側にとって、自社のニーズに合うだけでなく、意欲のある応募者は魅力的です。自分の希望をよく考え、それに合う求人を探しましょう。
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