退職月に社会保険料を多く支払うケースとその理由
社会保険料の支払い義務について
日本の健康保険法・厚生年金保険法では、正社員として会社に入社すれば「厚生年金と健康保険」つまり、社会保険に加入していることになり、保険料を支払う義務が生まれます。
これは、被保険者の資格を取得した、というようになりますので反対に、会社をやめれば「その日の翌日」に被保険者の資格を失うと定められています。
社会保険料はあくまでも毎月一定額を支払う
では、会社に入社した月や退職月の社会保険料は日割りで納めるかというと、そうではありません。社会保険料はあくまでも毎月「一定額」を支払うようになっています。
正確には、被保険者資格を取得した日が属する月の社会保険料は支払い、被保険者資格を喪失した日が属する月の前月まで社会保険料を支払う決まりになっているのです。
月末に辞めた場合は次の月の1日に資格喪失となる
退職月といっても月の末日に辞めた場合だけは、次の月の1日に資格喪失となります。ですから、喪失日の前日が属する月、つまりは退職月までの社会保険料を支払うことになるのです。
社会保険料は毎月支払う制度になっている
社会保険料は労働者に支払う給料から被保険者の負担分を差し引き、使用者負担分とあわせた金額を会社が支払う事で毎月支払われる制度になっています。
支払う給料から何月のぶんの社会保険料を差し引いてよいかも定められています。
会社は前の月の分の社会保険料を差し引いてよいとされている
具体的には、会社が給料から社会保険料を差し引く場合、退職月以外は常に「前の月のぶんの社会保険料」を差し引いてよいとされています。
ですから、たとえば7月1日に中途採用で入社した従業員が7月20日の給料締め切り日を経て7月25日に給料を支払われる場合、7月分の社会保険料を7月分の社会保険料から引くというのはできないので、入社後最初の給料からは社会保険料は引かれません。
また、この社員が12月20日で辞めた場合、11月ぶんの社会保険料を退職月である12月25日の給料から引いて支払うはめになるのです。
退職月に社会保険料を支払うケースの例外について
では、労働者の退職日が1月1日だったらどうなるでしょうか。資格喪失の日は退職日の翌日である1月2日になりますよね?
この場合は、退職月である1月まで社会保険料を支払わなければなりません。12月25日に支払われた給料で支払った、つまり差し引いてあるのは、11月分までの社会保険料ですので少し計算が合わなくなってきますよね?そういった場合はどのような対応が取られるのでしょうか?
前月と退職月である2か月分の社会保険料を差し引いて良いと決まっている
このような場合、つまり退職月にかぎっては、退職月の前月と退職月の社会保険料を最後の給料から差し引いてよいと決まっています。上記の例では、退職して最後に支払われる1月20日締め切り・1月25日払いの給料から、12月分と1月分の社会保険料を差し引くのです。
手取りの給料がずいぶん減りそうですが、これは制度上やむを得ません。その代わり、他の会社に転職して最初に支払われる給料からは社会保険料が引かれないような制度になっているわけです。
社会保険料は日割りでは払えない!!退職月と前月の2か月分差し引かれるケースも!
退職するときに気になってしまうのが、退職月の社会保険料の扱いですよね。退職月だけみると不利になっているようにも見えるのですが、実は入社した月の社会保険料は支払うようになっていません。
社会保険料は、日割りで払うことができないので、毎月一定額の支払いが必要であるという点を覚えておきましょう。
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