歩合制のメリット・デメリットと仕事選びのポイント

2018年10月19日歩合制

歩合制(歩合給)とは?

Koukatawa

求人情報を見ていると、歩合制、歩合給、完全歩合制、固定給+歩合給制度、などといった言葉を目にすることがあります。歩合制とは、どのような意味なのでしょうか。給与は仕事選びの重要なポイントですよね。歩合制についても理解を深めて、満足のいく求人を選べるようにしましょう。

成果に応じて報酬が決まる制度

歩合制とは、本人の業績や成果によって給料の金額が変わる制度で、変動給制ともいわれます。歩合給とは、この制度に基づいて給料が支払われることを示しているのです。成果報酬型というわけですね。もちろん、歩合制のもとでは良い成績を上げられれば給料が上がり、成果が良くなかった場合には給料が下がります。

固定給と対をなす制度

一般的に月給、給料などといって思い浮かぶのは、固定給制度の方ではないでしょうか。固定給は金額が個人の成果の影響を受けません。一定時間勤務すれば、決まった額の賃金が支払われるという制度で、年に1回ほどの昇給によって、少しずつ月々の給料が上がっていくのが一般的です。

「固定給+歩合給」という制度

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それでは、「固定給+歩合給」という制度は、どのような給与形態なのでしょうか。これは、固定給制と歩合制を組み合わせたものになります。つまり、給料のいくらかは固定給となっていて、その分は成果にかかわらず支給され、それに加えて、成果に応じた歩合給が上乗せされる、という形になります。

すべてが歩合給の完全歩合制

歩合制を採用している仕事の中では、上記の「固定給+歩合給」制度を取っているところも多いですが、固定給が一切なく、すべてが歩合給の「完全歩合制」を採用している場合もあります。自分の実力が給与にそのまま反映される、ある意味で厳しく、ある意味でやりがいのある制度です。この完全歩合制は、フルコミッションとも呼ばれます。

歩合制のアルバイトもある

実はアルバイトにも歩合制のものがあります。覆面調査やゲームのテスト、ホテルの清掃やポスティングの仕事などです。頑張っただけ報酬が貰えるアルバイトがしたいと考えている方は、歩合制の仕事を探してみてもよいでしょう。

固定給制度と比較した、歩合制のメリット・デメリット

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この歩合制ですが、どのようなメリット、デメリットがあるでしょうか。一般的な固定給制度と比較して、どのような違いがあるかをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。給与、労働時間、働き方という3つの観点から見ていきましょう。

給与について

【メリット】

給与については、メリット、デメリットともに言うまでもないかもしれませんが、確認しておきましょう。歩合制のメリットはもちろん、頑張った分、成果が出た分だけ給料が上がるという点です。固定給の場合には、どれだけ成果を出したとしても、昇給や昇進という形でそれが直接給与に反映されるには時間がかかりますし、上がり方も緩やかな場合が多いですが、歩合給はすぐに給与が上がります。

【デメリット】

歩合給のデメリットは、やはり不安定さでしょう。成果が出せなければ給与は少なくなってしまいます。また、完全歩合制の場合は月の収入が0円というケースさえ考えられるのです。固定給の場合には、成果が出せなくても一定の労働時間に応じてしっかりと給与が支給されますから安心です。

労働時間について

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【メリット】

実は、歩合給と固定給では、労働時間についても違いがあります。とくに完全歩合制の場合には、仕事に対してどれだけの時間を使うかは本人に任されます。会社に出向くのは月に数回で、あとはお客さまの営業に直行・直帰という働き方をしている人もいるようです。つまり、自分の時間を作りやすいのです。これは、一定の拘束時間がある固定給制度にはないメリットです。

【デメリット】

とはいえ、扱う商材やサービスにもよりますが、歩合制、完全歩合制の仕事で大きな収入を望もうと思うならば、その商材の勉強や準備に相応の時間をかける必要があるでしょう。そのため歩合制でも、昼夜問わずに働き続けているという人もいるようです。

働き方について

【メリット】

また、歩合制で働くと、働くことに対するモチベーションも変わってくるでしょう。自分の頑張りが直接給与に関係しますから、やる気が出ますし、仕事の一つ一つに熱意をもって取り組めるようになります。このように、働き方そのものが変わるのです。

【デメリット】

とはいえ、良い点ばかりではありません。歩合制の営業であれば、本来なら協力すべきはずの仲間同士で、顧客の奪い合いが起こるかもしれません。同じような理由で、職場の人間関係がギスギスしたものになる恐れもあります。

完全歩合制は違法!?

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ところで、完全歩合制は違法である、という話を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。労働基準法には、「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない」という決まりがあります。確かにこれに照らし合わせると、完全歩合制は違法になるように見えます。また、最低賃金に関する法律を見ても、完全歩合制が最低賃金を守っていない場合があると分かります。

契約の形によっては違法になる

しかし、これはあくまで労働者として雇用される契約を結んでいる場合の話です。完全歩合制を取っている仕事では、仕事をする側が個人事業主となって、業務委託という形で仕事を請け負います。雇用の関係でなければ、完全歩合制が違法になることはないのです。

固定給+歩合給制でもグレーになる場合も

なお、固定給+歩合給という形を取っている場合でも、固定給があまりにも少ない場合には、グレーゾーンだと考えられます。少なくとも、固定給部分が最低賃金に達しているべきだといえるでしょう。歩合制の仕事をする場合には、この点にも注意して契約しましょう。

歩合制が多い仕事とは?

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歩合制の仕事のメリット、デメリットなどをご紹介しました。それでは、どのような仕事が歩合制を採用しているケースが多いのでしょうか。真っ先にイメージするのは営業の仕事かもしれませんが、実はそれ以外にもいくつかの種類があります。またひとくちに営業といっても、その商材は様々です。

保険の営業

保険の営業は、歩合制を採用している会社がとても多いです。一つ契約を取れば大きな利益を上げられるため、労働者間で会社にもたらす利益の差がとても大きいのです。保険の営業として仕事をし、成功するためには、コミュニケーション能力だけでなく、商品の勉強が欠かせません。

不動産の営業

一つの契約が大きな利益を出すという意味では、不動産も同じです。不動産の営業も、歩合制を採用しているところが非常に多いと言えます。しかし保険以上に契約は取りにくいでしょうから、成功していこうと思ったらそれだけハードになるでしょう。

その他の営業

保険や不動産に限らず、営業という職種は歩合制を採用している仕事がとても多いです。扱う商材も様々で、通信回線やソーラーパネル、電話回線の営業などがあります。

販売

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営業と同じく、販売職も歩合制を採用している仕事があります。こちらも商材は様々で、お菓子のような単価の安いものから、車のような高いものまであります。

セラピスト

ネイリストなど、美容業界やセラピストも歩合制の仕事が多いです。ネイリストやセラピストの仕事は、個人の実力がお客さまの満足度を左右します。そのため指名制を採用し、多く指名される人ほど多く稼げる歩合制にしているのです。

タクシードライバー

タクシードライバーも歩合制を採用しているところがあります。固定給+歩合制だけでなく、完全歩合制の仕事もあるようです。

フリーランスのクリエイター

フリーランスのクリエイターも歩合制の契約を結ぶケースがあるようです。業界の事情で繁忙期と閑散期がある仕事は、フリーランスと契約して経費節減を目指すのです。

その他

歩合制の仕事として代表的なものをご紹介してきましたが、歩合制は他にも様々な仕事で採用されています。テレホンアポインターやキャンペーンスタッフ、ポスティングの仕事などがあります。

歩合制の仕事に就職・転職する際の注意点

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それでは最後に、歩合制の仕事に就職、転職を考えている、もしくは選択肢の一つになっているという方に、就職にあたって押さえておきたいポイントをご紹介します。歩合制の仕事はリスクのある働き方ですから、慎重に判断しましょう。

自分に合った商材・サービスを選ぶ

元々歩合制で働きたいと思って、歩合制の求人を探している方もいるかもしれません。そのような方の場合は、できるだけ自分に合った商材・サービスを選ぶようにしましょう。というのも、商材・サービスの違いはターゲットとなるお客さまの違いだからです。自分はどんな商品であれば魅力を伝達できるのか、どんなお客さまとのコミュニケーションが得意なのかを考えてみると、求人探しの参考になるでしょう。

メリット・デメリットをよく検討する

そして、ご紹介してきたメリット、デメリットをぜひよく検討してみてください。歩合制の働き方は給与額に波があります。その中で、できるだけ安定を求められるように、自分の生活と仕事を両立させられるように、仕事に対するビジョンを考えてみましょう。

完全歩合制をうたうブラック企業も多い

歩合制の求人を探すときに注意したいのは、歩合制、とくに完全歩合制をうたっている仕事にはブラック企業も多いという点です。時間的な拘束や働き方の指示によって実質雇用関係にもかかわらず、業務委託契約として完全歩合制を採用し、最低賃金や労働基準法を無視しようとする悪質な企業です。これらは偽装請負として違法になるのですが、そういった会社があることは覚えておきましょう。

「固定給と歩合給の割合」「契約」をよく確認しよう

また小さな企業などでは、悪意はなくとも法律の知識が疎いために、違法となる完全歩合制を採用してしまっている場合もあります。ですから歩合制の仕事をはじめるときは、固定給と歩合給がどのように決まるのか、どのような契約の形なのかを、しっかりチェックしましょう。

歩合制の企業に転職する際はエージェントを利用すると良い

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歩合制の仕事は安定感がカギ!固定給との割合や契約をチェック!

歩合制のメリット、デメリットと仕事の種類、契約の際のポイントなどについてご紹介しました。歩合制は給与が変動する形態だからこそ、いかに安定させられるかがカギになります。仕事をする際は、固定給との割合をチェックして、生活が苦しくならないようにしましょう。逆に、腕に覚えがあるのならば、完全歩合制という働き方にチャレンジしてみるのもよいでしょう。

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Posted by BiZPARK