【コミットメント】ビジネス シーンにおける意味と正しい使い方
「コミットメント」とは
日本のビジネスシーンでよく使われるのが「コミットメント」です。はっきりとした意味は知らないまま、なんとなくで使っているビジネスマンも多いのではないでしょうか。
「コミットメント」について説明しましょう。
意味は「かかわりあい」「委任」など
「コミットメント」の意味は、「かかわりあい」「委任」「責任を持った約束・公約・確約」「責任を持つ介入」「肩入れ」「言質」です。全体的に「責任」というニュアンスが強い言葉です。
日本のビジネスシーンで「コミットメント」と言う場合は、事業やプロジェクトに「深く関与する」「積極的に参加する」「責任を持って介入する」という意味になります。
英語の動詞commitの名詞形
英語では「commitment」と書き、動詞「commit」の名詞形です。「commitment」に関連している、かつ日本で知られている言葉としては「コミッション(commission)」「コミッショナー(commissioner)」「コミッティー(committee)」などがあります。
「コミッション」は「手数料」「わいろ」、「コミッショナー」は「プロ野球などの協会最高権力者」、「コミッショナー」は「委員会」という意味です。
契約・交渉・公約を指す時に使われる
「コミットメント」は契約や交渉、声明、公約を指す時に使われる言葉です。「責任」のニュアンスを含むため、ビジネスシーンだけでなく、政治や法律などの厳粛な場面でよく使われています。
日本語に言いかえると「関与」「委託」「確約」など
「コミットメント」を日本語に言いかえると、文脈にもよりますが「関与」「委託」「確約」「かかわり」「公約」「言質」「声明」「義務」「責任」などの言葉が適切でしょう。
もしも翻訳するとすれば、「責任」というニュアンスをどう表すかがポイントです。
「コミット」の最上級は「フルコミット」
ビジネスシーンでは、「コミット」の最上級の表現として「フルコミット」という言葉が使われる時もあります。特に重要な契約や案件、計画などに全面的に関与する場合に「フルコミットします」などと宣言し、強い意志や決意を表します。
「コミットメント」の使い方
「コミットメント」の意味はわかっていただけたでしょうか。次に「コミットメント」の使い方について具体的に説明しますので、参考にしてください。
トップコミットメント
「トップコミットメント」とは、企業のビジョンや環境問題への取り組みなどを含んだ表明を意味します。企業のホームページで見ることができ、「トップコミットメント」で検索してみると、多くの企業の表明が表示されます。
コミットメントのステートメント
例えば「△△業界の著作権に対するコミットメントのステートメント」という文があったとします。分かりやすくすると、「△△業界による著作権問題に対する公約の声明文」という感じになります。
「○○のためのコミットメント」「パブリックコミットメント」などとも使われます。
教育分野への強いコミットメント
アプリケーションソフトを制作する会社が教育ソフトの開発に取り組み、教育分野に大きく関与しているような場合、「教育分野への強いコミットメント」と表現できます。
同様の使われ方としては、「業務へのコミットメント」「中途採用事業へのコミットメント」などが例として挙げられます。
コミットメントライン
金融業界で使われる言葉です。「金融枠」という金融用語になります。似たような言葉で「コミットメントフィー」もあり、意味は「融資枠維持手数料」です。「コミットメントライン」とまとめて覚えましょう。
「コメットライン」は「銀行融資枠」とも言われています。銀行と企業が事前に設定した期間・融資額内で、銀行が融資すると約束する契約を指します。
「コミットメント」を使った表現例
「コミットメント」をたかった表現の例は以下の通り。
・人事内容についてのコミットメントは避ける。
・契約上のコミットメントを遵守する。
・当社のコミットメントを明確にします。
・東アジアへのコミットメントを鮮明にしている。
・当社のコミットメントはインフラの整備を進めることです。
・金利に関するコミットメントを明示する。
・国際的な法的コミットメントに反している可能性がある。
英語の「commitment」とはどう違う?
日本のビジネスシーンで使われる「コミットメント」は、英語の「commitment」からきているものですが、含まれる意味合いや使われる場面が微妙に異なります。そのため、日本で「コミットメント」「コミットする」と言うのと同じ感覚で、英語で「commitment」「commit」と言った場合、相手に誤解を与える可能性があります。
本来のcommitは日本語よりも重いニュアンス
本来の「commit」には、日本語よりも重いニュアンスがあります。語源から考えると、「commit」は「(宗教的に)ゆだねる」という意味を表す言葉でした。そこから「~を誓約・公言する」となり、誓約や公言には「責任」がともなうため、「責任」のニュアンスを含む言葉になりました。
意味やニュアンスから、「commitment」は政治家が好んで使っているようです。アメリカの政治家の演説や会見でよく聞くことができます。
「commitment」を使った例文
「commitment」を使った例文を紹介します。
・I doubt their commitment to this project.
・He made a commitment to stop smoking.
・I have a sincere commitment to religion.
・I have made a commitment to pay our bills on time.
・I reaffirm our commitment to sound public finances.
各分野における「コミットメント」とは
主にビジネスシーンでの「コミットメント」の意味や使われ方は理解していただいたと思いますが、分野によっては「コミットメント」の考え方が若干異なります。最後に、各分野における「コミットメント」の使われ方について説明しましょう。
経済学における「コミットメント」
経済学における「コミットメント」とは、「特定の行動しかとれないようにするような実効性のある仕組みをつくること」という意味です。分かりやすい例を挙げると、「最低価格の保証」がこれに該当します。
ある店舗が「他店の方が安い場合は、同額まで値引きします」と宣言するのは、経済学でいう「コミットメント」にあたります。この宣言により、他の店舗にいくら値引きされても顧客は奪われなくなり、結果的に過激な値引き競争の防止につながります。
「他店の方が安い場合は、同額まで値引きします」が「実効性のある仕組み」であり、結果として他店は「値引きすることができない」という行動をとるしかありません。
心理学における「コミットメント」
心理学においては、「コミットメント」するとで目標達成しやすくなる効果が生まれる、と言われています。人は自分自身の発言に対し、一貫性を持たせようと無意識のうちに働く心理をもともと持っています。そのため、1度「コミットメント」したものは、困難な状況に陥っても破棄することができないのです。自分を追い込む効果があるとも言えますね。
設定した目標が達成できなくて悩んでいる人は、「コミットメント」してみてはどうでしょうか。
コミットメントの意味は「かかわりあい」「委任」!正しく理解してデキる社会人に
最近は特にカタカナのビジネス用語が多く、日本語で言えば確実に伝わるようなことも、わざわざ聞き慣れない言葉に変換する人が少なくありません。新社会人や営業職に転職した人は、入社当初は初めて聞く言葉も多いでしょう。
しかし、「コミットメント」のように日本語では1語でニュアンスや意味合いを表しきれない言葉も多く、それらが昨今のビジネスシーンで広く使われています。デキる社会人になるためにも、ビジネス用語を正しく理解し、使えるようになりましょう。
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