期ズレは!決算における売上計上の注意点
決算では期ズレの無いように
期ズレはどの会社でも起きやすいので注意
決算における売上と費用の計上は、発生主義と費用収益対応の原則という2つのルールに基づいて行う必要があります。
この2つのルールに従わず、本来ならその年に計上すべき売上や費用を翌年に持ち越したり、翌年に計上すべき売上や費用をその年に計上したりするのを期ズレと言います。
期ズレはしばしば問題になりニュースで取り上げられることもあります。期ズレは、決算をするあらゆる会社・個人事業主に起こりうることです。
期ズレが起きると面倒なことになる
期ズレは決算をよく見せるために意図的に行う会社も中にはあるため、税務署も入念にチェックしています。
意図的ではなくても、うっかり期ズレを起こしてしまっていると、税務調査が入って指摘され、修正を要求されてしまいます。
具体例で売上計上の原則を確認してみよう
まず発生主義について確認しましょう。
仮に2014年3月に商品を納品して請求書を出し、2014年4月に支払いを受けたとしましょう。この場合はお金を受け取ったのが4月だからと、売上計上するのも、4月でいいと考えてしまいそうになります。
しかし、発生主義ではお金が手に入ったかどうかではなく、お金が手に入る権利を獲得した時点で、売上を計上すべきとなっています。そのため、この例では商品を納品した”3月に”、売上計上しないといけません。お金の動きだけを見ていると正しい決算ができませんから要注意です。
費用についても売上と同じ扱い
もう1つのルールである費用収益対応の原則も、理屈は発生主義と変わりません。
計上すべき費用は、”売上と連動していないといけない”というものです。先ほど挙げた例で言うと、売った商品にかかった費用を計上するのは、売上計上するときと同じで、4月ではなく、”3月”でなければいけません。
先払いした場合も発生主義に基づき売上計上
商品を売って代金を受け取るのとは逆で、こちらが買い手となるケースでも期ズレは発生します。
例えば、3月に商品を購入し代金を先払いしたが、届いたのは4月だったとしましょう。この場合、3月にお金を払っているのだから、3月に費用として計上したくなりますが、発生主義にもとづき、”4月”に計上しないといけません。商品購入以外でも、施設の工事費や事務所の賃貸費用などの前払いも、同じ扱いになります。
計上は原則に則って正確に
このように期ズレが起きないようにするための計上は、かなりややこしいです。
仮に期ズレが起きたとしても、長い目で見れば、あらゆる売上と費用が計上されるのだから、税金はほぼ同じだろうし、別にいいのではと考えたくもなります。しかし、税務署が原則に従った計上を要求してくる以上は、それに従うのが無難です。
決算期には期ズレの無いように正しい売上計上を
決算では、売上計上・費用計上を時期を間違えること無くやらねばなりません。
計上時期を間違えるのは期ズレと呼ばれ、期ズレがあると税務調査で指摘され修正を要求されます。期ズレを無くすには発生主義と費用収益対応の原則という2つのルールを守る必要があります。長い目で見れば期ズレがあっても問題ないなどと勝手に考えず、税務署の方針に従うようにしましょう。
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